KRAS変異型の切除不能な大腸癌患者のセカンドライン以降の治療として、イリノテカンとソラフェニブの併用療法(NEXIRI)が病勢コントロール率(DCR)で64.9%を示し、有望な活性が認められることがフェーズ2試験から明らかになった。6月22日から25日までスペイン・バルセロナで開催された第13回世界消化器癌学会(WCGC2011)で、フランスCRIC Val d’AurelleのEmmanuelle Samalin氏が最終結果を発表した。

 Rafキナーゼを阻害するソラフェニブは、KRAS変異型の患者で細胞の成長と増殖を抑制する可能性がある。Samalin氏らは、KRAS変異型の切除不能な大腸癌患者に対するセカンドライン以降の治療として、イリノテカンとソラフェニブの併用療法によるDCRを評価する多施設共同のフェーズ2試験を実施した。

 フェーズ1試験の推奨用量に従い、イリノテカンは180mg/m2を隔週で、ソラフェニブは400mg/m2を1日2回投与した。イリノテカンの2コースの投与(28日)を1サイクルとし、進行または毒性の発現を認めるまで投与を継続した。奏効はCTを8週毎に撮影し評価した。

 主要評価項目はRECIST基準によるDCR、副次的評価項目は毒性、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)とした。

 2009年6月から12月までに、10施設から、切除不能な大腸癌で前治療を1回以上受け、KRAS遺伝子codon12または13に変異を有する患者54人(年齢中央値60歳、男性32人)が参加した。

 原発腫瘍の部位は結腸が63%を占めた。前治療として、原発腫瘍の切除は患者の85.2%が受けていた。化学療法では、5FUとイリノテカンの投与を全員が受けていた。オキサリプラチンは96%、ベバシズマブは91%、セツキシマブは15%の患者が投与されていた。

 治療サイクルの中央値は4で、13人(24%)が6サイクルの治療を完了した。相対的用量強度(relative dose intensity)は、イリノテカン93%、ソラフェニブ73%だった。

 評価可能だった54人において、部分奏効(PR)は1人(1.9%)、安定状態(SD)は34人(63.0%)となり、DCRは64.9%だった。

 PFSの中央値は3.5カ月(95%信頼区間 2.0-3.7)、OSの中央値は7.7カ月(同 4.8-9.7)だった。これらの結果は、KRAS変異型の切除不能な大腸癌患者でセツキシマブやパニツムマブを検討した他の試験と比べて、対象数は少ないものの、良好だった。

 毒性による死亡は認められなかった。グレード3の毒性の発現は、手足症候群15%、下痢39%となったが、グレード4はみられなかった。好中球減少ではグレード3が19%、グレード4が16%だった。貧血ではグレード3が4%だった。患者の81%にあたる44人において、毒性のためソラフェニブを400mg/日に減量する必要があった。

 Samalin氏は「本試験のデータは、NEXIRIの有効性を確認するランダム化フェーズ2試験を行う十分な根拠となる」と話した。