大腸に発生した進行性神経内分泌腫瘍(NET)に対し、経口mTOR阻害剤エベロリムスオクトレオチド酢酸塩徐放性製剤(オクトレオチドLAR)の併用は、オクトレオチドLAR単独に比べて、無増悪生存期間(PFS)を23.3カ月も延長させることが、フェーズ3試験(RADIANT-2)のサブグループ解析で明らかになった。6月22日から25日までスペイン・バルセロナで開催されている第13回世界消化器癌学会(WCGC2011)で、スペインUniversity Hospital 12 de OctubreのDaniel Castellano氏らが発表した。

 神経内分泌腫瘍(NET)は、胸腺や消化管、肺、膵臓などさまざまな臓器で発生し、潮紅や下痢などの症状を引き起こす。原発巣によって生存期間は異なり、Castellano氏によれば、小腸で発生したNET患者の生存期間中央値は65カ月だが、直腸では26カ月、膵臓では27カ月、肺では17カ月、結腸では7カ月であり、大腸NETの予後は不良であった。

 RADIANT-2(RAD001 In Advanced Neuroendocrine Tumors)試験は、潮紅や下痢の症状があった進行性NET患者429人を対象に行われた無作為化二重盲検プラセボ対照の多施設共同フェーズ3試験。

 オクトレオチドLARは28 日おきに30 mgが投与され、エベロリムス併用群にはエベロリムス10 mgが、オクトレオチドLAR単独群には、プラセボが連日投与された。

 主要評価項目であるPFS中央値は、中央判定ではオクトレオチドLAR単独群の11.3カ月から、エベロリムスの追加で16.4カ月と、5.1カ月延長したことが昨年報告されている(ハザード比0.77、95%信頼区間 0.59-1.00、p=0.026)。また医師判定ではPFS中央値はそれぞれ8.6カ月、12カ月(ハザード比0.78、95%信頼区間 0.62-0.98、p=0.018)だった。

 サブグループ解析の結果、年齢(65歳未満、65歳以上)、性別、WHO PS(0、>0)、組織学的グレード(高分化型、中分化型)で分けても、エベロリムス併用群のほうがPFSは良好だった。

 原発巣別にみると、大腸NET患者のPFS中央値は、オクトレオチドLAR単独群の6.6カ月に対して、エベロリムス併用群は29.9カ月と、23.3カ月も延長した(ハザード比0.34、95%信頼区間 0.13-0.89、p=0.011)。また小腸や肺NETでもエベロリムス併用群が優れていた。

 ただし、大腸NET患者では、両群の患者背景に違いが認められた。65歳未満の患者割合がエベロリムス併用群は79%、オクトレオチドLAR単独群は70%、女性の割合がそれぞれ58%、40%、白人の割合が100%、80%を占めた。組織学的グレードは高分化型がそれぞれ74%、60%、3臓器以上への浸潤の割合もそれぞれ58%、40%と異なった。

 抗腫瘍効果は、エベロリムス併用群のほうが優れており、オクトレオチドLAR単独群の腫瘍縮小率が37%であるのに対し、エベロリムス併用群は67%だった。

 安全性については、最新の解析結果(フォローアップ期間中央値31.1カ月)は、以前に報告された結果とほぼ同じだった。主なグレード3/4の有害事象は、エベロリムス併用群では倦怠感(グレード3が6.5%)、口内炎(グレード3が6.5%)、下痢(グレード3が6%)、感染症(グレード3が4.7%、グレード4が0.5%)、高血糖(グレード3が5.1%)だった。