切除可能胃癌に対し、モノクローナル抗体catumaxomabによる術中腹腔内投与と術後投与、ならびに術前補助化学療法との併用は術後合併症が少なく、安全に施行できることが多施設共同フェーズ2試験で明らかになった。6月22日から25日までスペイン・バルセロナで開催されている第13回世界消化器癌学会(WCGC2011)で、ドイツTechnische Universitat MunchenのChristoph P. Schuhmacher氏らが発表した。

 Catumaxomabは上皮細胞接着分子のEpCAMとCD3に対するモノクローナル抗体。転移性胃癌の原発巣やリンパ節ではEpCAMが多く発現している。

 そこでフェーズ2試験では、治癒切除可能な胃癌に対し、catumaxomabを術中および術後に投与し、さらにECF(エピルビシン、シスプラチン、5-FU)もしくはECX(エピルビシン、シスプラチン、カペシタビン)による術前投与を併用することの安全性が検討された。

 まず術前補助化学療法として、ECFもしくはECXを3週おきに3回投与した。およそ4週間後に、catumaxomab 10μgを術中に腹腔内投与し、術後7日目に10μg、10日目に20μg、13日目に50μg、16日目に150μgの計4回投与した。

 安全性に関する主要評価項目は、術後30日以内の合併症発生率とした。なお発生率が62%を超えた場合、このレジメンは不適切であり、42%以下であれば施行可能なレジメンであると設定された。副次評価項目は有害事象とした。また効果に関する評価項目は、無病生存期間(DFS)と全生存期間(OS)とした。

 試験には54人が登録され、男性が37人、年齢中央値は59歳、Karnofsky index 90が50%、100が44%を占めた。TNM分類ではT3-NX-M0が33%、T3-N1-M0が26%、T3-N0-MXが17%などであった。

 術後合併症は18人(33%)に認められ、主な合併症は肺感染症が9人(17%)、吻合部縫合不全が6人(11%)、膿瘍が4人(7%)だった。

 手術単独と術前・術後化学療法とを比較したMagic試験では、術後合併症発生率が両群とも46%であり、今回の試験のほうが良好な結果であったといえる。

 Catumaxomab関連の有害事象は53人(98%)に見られ、グレード3以上の有害事象は28人(52%)だった。主なグレード3以上の有害事象は、低血圧が4人、全身性炎症反応症候群(SIRS)が3人、腹痛が3人、発熱が2人、下痢が2人だった。

 1年間のフォローアップで、評価できた49人のうち13人(27%)が再発し、2人が死亡した。DFS率は74%(95%信頼区間 61-86)だったが、フォローアップ期間が短いため、OSは評価できなかった。今後4年間フォローアップを継続していくという。

 以上のことから、主要評価項目は設定値に到達することができ、catumaxomabは切除可能胃癌に対して施行可能な治療であることが示された。