転移性大腸癌を対象にファーストラインとしてFOLFIRINOXレジメンとセツキシマブを併用することが有効である可能性が明らかとなった。多施設フェーズ2試験の結果、高い効果が得られたもの。効果はKRAS遺伝子野生型患者の方が良い傾向を示したが、変異型患者と統計学的に有意な差はつかなかった。成果は、6月30日から7月3日にスペインバルセロナで開催されている第12回世界消化器癌学会でフランスCRLC Val D'AurelleのE.Samalin氏によって発表された。

 発表されたフェーズ2試験はフランス国内の4施設で42人の手術不能転移性大腸癌患者を対象に行われた。FOLFIRINOXは、2週間を1サイクルとして、オキサリプラチン85mg/m2、葉酸200mg/m2、イリノテカン180mg/m2、5FU400mg/m2のボーラス投与、5FU2400mg/m2を46時間に渡って投与するもの。7日目から12日目までは顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を投与する。最大で12サイクルまで投与された。セツキシマブは週1回投与で、1回目の投与のみ400mg/m2が投与され、次の週からは250mg/m2が投与された。

 試験の結果、抗腫瘍効果は完全奏効(CR)が5人(11.9%、KRAS野生型患者が3人、KRAS変異型患者が2人)、部分奏効(PR)が29人(69%、KRAS野生型患者が17人、KRAS変異型患者が11人、不明が1人)で、奏効率は80.9%(95%信頼区間 65.9-91.4)となった。5人の患者は評価不能で、増悪(PD)は1人だった。

 無増悪生存期間中央値は全体で9.5カ月で、KRAS野生型患者では10.0カ月、KRAS変異型患者では7.8カ月(p=0.353)だった。全生存期間中央値は全体で24.7カ月、KRAS野生型患者では未到達で、KRAS変異型患者では23.1カ月(p=0.117)だった。KRAS遺伝子型で有意差がつかなかった理由について、研究グループはFOLFIRINOXレジメンが強力であることとサブグループ解析を行うには症例数が少ないことを挙げた。

 一方、副作用はグレード3/4の好中球減少症(8人がグレード4)が16人(38%)、発熱性好中球減少症(すべてグレード3)が2人(5%)、下痢(すべてグレード3)が22人(52%)、嘔吐(すべてグレード3)が4人(10%)、皮膚異常(すべてグレード3)が6人(14%)、神経障害(1人がグレード4)が8人(19%)だった。

 研究グループは、切除できるようになる可能性がある肝転移の患者を選んでFOLFIRINOXとセツキシマブの併用療法の評価を行いたいとしている。またグレード3の下痢が多かったことから、イリノテカンの量は150mg/m2が薦められるとした。