ベバシズマブを加えた治療法は、対照群に比べて静脈血栓塞栓イベント(VTE)の発生率を増大させないことが明らかになった。10件の無作為化フェーズ2試験、フェーズ3試験のデータを統合分析した結果示されたもの。成果は、6月30日から7月3日にスペインバルセロナで開催されている第12回世界消化器癌学会で英Cancer Resarch UKのJames Cassidy氏によって発表された。

 Cassidy氏らはベバシズマブと化学療法または免疫療法を併用した群(ベバシズマブ使用群)と、化学療法または免疫療法とプラセボの群(ベバシズマブ非使用群)を比較した。10件の試験で6055人のデータが解析された(ベバシズマブ使用群が3448人、ベバシズマブ非使用郡が2607人)。解析された患者の癌種は、非小細胞肺癌(1084人)、腎癌(641人)、膵癌(583人)、大腸癌(2573人)、乳癌(1174人)だった。治療を受けた期間はベバシズマブ使用群がベバシズマブ非使用群よりも63%長かった。

 解析の結果、治療期間未調整の全グレードのVTE発生率は、ベバシズマブ使用群で10.9%、ベバシズマブ非使用群で9.8%で、オッズ比1.1419(95%信頼区間 0.96-1.35)、p=0.1284で統計学的に有意な差はなかった。グレード3-5に限定してもオッズ比1.0532(95%信頼区間 0.85-1.30)、p=0.6340と差はなかった。

 治療期間で調整した100患者年当たりの全グレードのVTE発生率は、罹患率比0.9060(95%信頼区間 0.77-1.05)、p=0.2312で統計学的に差はなく、グレード3-5に限定しても罹患率比0.8307(95%信頼区間 0.68-1.02)、p=0.0772と差はなかった。癌種別でみると、膵癌では統計学的に有意(p<0.05)にベバシズマブ非使用群の方が発生率は高かった。VTE発生までの時間も全グレード、グレード3-5までのグレードで、ベバシズマブ使用群とベバシズマブ非使用群に差はなかった。

 Cassidy氏は癌やその治療に関してVTE発生率は高く、VTEの管理と理解を進めることが必要と強調した。