リンパ節転移陽性の早期乳癌患者に対し、2週毎にEC療法(エピルビシンシクロホスファミド)を行うdose dense化学療法は、無病生存率(DFS)と全生存率(OS)を有意に改善することが、フェーズ3のthe Gruppo Italiano Mammella(GIM)グループによるGIM2試験の最終結果から明らかになった。12月10日から14日まで米国サンアントニオで開催されたサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2013)で、イタリアI.F.O. Istitute Regina Elena e Istitute San Gallicano-MostaccianoのFrancesco Cognetti氏が発表した。

 Cognetti氏らは、リンパ節転移陽性の乳癌患者の術後補助療法として、2週毎のdose-dense EC療法を施行後、パクリタキセルを投与するスケジュールと、標準的な3週毎のEC療法を施行後、パクリタキセルを投与するスケジュールの有効性を比較した。EC療法にフルオロウラシルを追加する意義も検討した。

 対象はリンパ節転移陽性の早期乳癌の70歳未満の患者で、以下の4群のいずれかにランダムに割付けた。EC21群:エピルビシン90mg/m2、シクロホスファミド600mg/m2を1日目に投与し、21日毎に4サイクル施行。その後、パクリタキセル175mg/m2を1日目に投与し、21日毎に4サイクル施行。FEC21群:フルオロウラシル600mg/m2、エピルビシン90mg/m2、シクロホスファミド600mg/m2を1日目に投与し、21日毎に4サイクル施行。その後、パクリタキセル175mg/m2を1日目に投与し、21日毎に4サイクル施行。EC14群:EC療法を14日毎に4サイクル施行後、パクリタキセルを14日毎に4サイクル投与。FEC14群:FEC療法を14日毎に4サイクル施行後、パクリタキセルを14日毎に4サイクル投与。

 EC14群とFEC14群には、化学療法の24時間後にPEG化顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)製剤のpegfilgrastim 6mgを皮下注射した。また2006年4月以降に登録したHER2陽性の患者には、化学療法終了時から1年間トラスツズマブを投与した。同試験の主要評価項目は浸潤性疾患のない生存率(IDFS)、副次的評価項目は全生存率(OS)と毒性だった。

 2003年4月から2006年7月までに、2091人が登録され、EC21群545人、FEC21群544人、EC14群502人、FEC14群500人となった。3週毎と2週毎の投与を比較するITT集団はそれぞれ1089人と1002人、FEC療法とEC療法を比較するITT集団は1044人と1047人となった。年齢、閉経の状態、手術、組織型、腫瘍の大きさ、リンパ節転移の数、HER2の状態、ホルモン受容体などの患者背景は、4群でバランスがとれていた。

 予定された治療の完遂率は4群間で差はなく、EC21群87.3%、FEC21群88.8%、EC12群89.8%、FEC21群88.2%だった。

 追跡期間中央値7.0年の時点で、IDFSのイベントの発生率は、EC21群25.7%、FEC21群28.9%、EC14群22.1%、FEC14群22.6%となった。4群のIDFSでは、交互作用項についてのp値は有意ではなかった(p=0.630)。OSのイベント発生率は、EC21群13.8%、FEC21群16.2%、EC14群9.6%、FEC14群11.0%だった。

 3週毎と2週毎の投与の比較では、5年のIDFSは、3週毎の投与で76%(95%信頼区間:73-79)、2週毎の投与で81%(95%信頼区間:78-84)、ハザード比0.78となり、2週毎の投与で有意に改善した(p=0.002)。

 5年のOSも2週毎の投与で有意に改善し、3週毎の投与で89%(95%信頼区間:87-91)、2週毎の投与で94%(95%信頼区間:92-96)、ハザード比0.68となった(p<0.0001)。

 一方、EC療法とFEC療法の比較では、フルオロウラシルの追加による臨床転帰の改善は示されなかった。5年のIDFSは、EC療法79%、FEC療法78%(p=0.526)、5年のOSは、EC療法92%、FEC療法91%だった(p=0.227)。

 ホルモン受容体(HR)陽性、陰性のいずれにおいても、5年のIDFSは2週毎の投与で改善した。HR陽性ではハザード比0.67(p=0.032)、HR陰性ではハザード比0.80だった(p=0.025)。

 2週毎の投与では、3週毎の投与と比べて、貧血とpegfilgrastimの使用による骨の疼痛が多く発現した。全グレードでは、貧血はそれぞれ67.2%と49.5%(p<0.0001)、骨の疼痛はそれぞれ53.5%と39.2%だった(p<0.0001)。好中球減少は66.7%と28.0%だった(p≦0.0001)。グレード3または4の事象は両群で非常に少なく、好中球減少は3週毎の投与で42%、2週毎の投与では14%だった。

 Cognetti氏は「pegfilgrastimの使用により、dose denseレジメンが安全に投与できた。本試験で用いたdose dense化学療法のレジメンは、リンパ節転移陽性乳癌患者の術後補助化学療法として、臨床で最適な選択肢である」と結論した。