手術不能局所再発または転移を有するHER2陰性乳癌を対象に、ファーストラインとして抗VEGF受容体2抗体製剤ramucirumab(IMC-1121B)とドセタキセルを併用する群と、プラセボとドセタキセルを投与する群とを比較したフェーズ3試験、ROSE試験の結果の詳細が明らかとなった。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を延長したが有意な差を達成できなかったことが既に公表されていた。

 12月10日から14日まで米国サンアントニオで開催されたサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2013)で、カナダCross Center InstituteのJR Mackey氏によって発表された。

 ROSE試験は、多施設無作為化二重盲検フェーズ3試験。2008年8月から2011年12月までに、手術不能局所再発または転移を有するHER2陰性乳癌患者1144人を、ramucirumabとドセタキセルの併用群(ramucirumab群)とプラセボとドセタキセルを投与する群(プラセボ群)に2対1で割り付けて行われた。ramucirumab群には759人、プラセボ群には385人が登録され、実際に投与を受けたのはramucirumab群が752人、プラセボ群が382人だった。

 ramucirumab群には3週おきのドセタキセル75mg/m2投与に加えて、3週おきにramucirumab10mg/kgを投与した。プラセボ群にはドセタキセルに加えて3週おきにプラセボが投与された。

 主要評価項目は研究グループの評価によるPFS。副次評価項目は全生存期間(OS)、増悪までの時間(TTP)、奏効率、安全性、QOLだった。患者背景に大きな差はなかった。

 試験の結果、研究グループの評価によるPFS中央値は、ramucirumab群が9.5カ月(95%信頼区間:8.3-9.8)、プラセボ群が8.2カ月(95%信頼区間:7.1-8.5)で、ハザード比0.88(95%信頼区間:0.75-1.01)、p=0.077で、ramucirumab群に長い傾向はあったが、有意な差ではなかった。PFSのサブグループ解析でも有意にramucirumabが延長しているグループはなかった。

 独立審査委員会の評価ではPFS中央値は、ramucirumab群が11.1カ月(95%信頼区間:9.9-11.8)、プラセボ群が8.5カ月(95%信頼区間:7.9-9.8)で、ハザード比0.79(95%信頼区間:0.67-0.94)、p=0.008だった。

 OS(中間解析)中央値はramucirumab群が27.3カ月(95%信頼区間:23.6-29.1)、プラセボ群が27.2カ月(95%信頼区間:24.3-32.2)で、ハザード比1.01(95%信頼区間:0.83-1.23)、p=0.915で差はなかった。

 一方、奏効率はramucirumab群が44.7%、プラセボ群が37.9%で有意にramucirumab群が有意に良かった(p=0.027)。疾患制御率もramucirumab群が86.4%、プラセボ群が81.3%でramucirumabが有意に良かった(p=0.022)。TTP中央値もramucirumab群が9.7カ月(95%信頼区間:8.5-10.3)、プラセボ群が8.2カ月(95%信頼区間:7.1-9.0)で、ハザード比0.78(95%信頼区間:0.65-0.93)、p=0.034でramucirumab群が有意に良かった。

 副作用でramucirumab群に多く見られたものは倦怠感、高血圧、出血、発熱性好中球減少症、口内炎だった。