微小管阻害薬エリブリンが、HER2陰性の局所再発乳癌または転移乳癌(MBC)に対する1次治療として、高い活性を有することが、多施設共同のフェーズ2単群試験で示された。12月10日から14日まで米国サンアントニオで開催されているSan Antonio Breast Cancer Symposium(SABCS)において、米国Texas Oncology-Dallas Presbyterian HospitalのKristi McIntyre氏が発表した。

 非タキサン系微小管ダイナミクス阻害剤エリブリンは、局所再発もしくは転移性乳癌の全生存期間(OS)を改善することが、エリブリンと治験医師が選択した治療法(対照群)を比較したフェーズ3試験(EMBRACE)で明らかになっている。同試験では、多くがHER2陰性の転移乳癌(MBC)で、すべての患者が、試験前に再発または転移疾患に対する2レジメン以上の治療を受けていた。

 本試験では、再発・転移疾患に対する治療歴のない患者を対象とした。登録基準は、18歳以上の女性、局所再発またはMBC、HER2陰性、余命24週以上、ECOG PS 0-2、ネオアジュバント/アジュバント化学療法後12カ月以上、放射線療法、ホルモン療法後2週間以上、腎機能/骨/肝機能正常。

 エリブリンは3週毎に第1、8日に1.4mg/m2を2-5分で静注。主要エンドポイントは奏効率(ORR)、副次エンドポイントは安全性と忍容性、反応までの時間、反応時間などとした。

 56例が少なくとも1回のエリブリン投与を受け、32例(57%)が6サイクルを完了した。サイクル数中央値は7(1-43)。42例(75%)が何らかの乳がん治療を受けており、うち38例(90.5%)がネオアジュバントまたは/かつアジュバント療法を受けていた。タキサン治療歴があった患者は25例、アントランサイクリン系の治療歴ありは27例だった。

 奏効率(0RR)は28.6%(16/56例、95%信頼区間:17.3-42.2)だった。タキサン/アントラサイクリンによるネオアジュバントまたは/かつアジュバント療法を受けた患者のORRは27.3%(9/33例)、臨床ベネフィット率(CBR)は45.5%(15/33例)で、全患者と同様だった。

 ER陽性(ER+)の患者41例では、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)12例と比較して、より大きな臨床ベネフィットが認められた(ORR 34.1%対16.7%、CBR 64.3%対25.0%、疾患コントロール率85.4%対50.0%)。

 PRを得た16例の反応までの時間(TTR)は中央値で1.4カ月(95%信頼区間:1.2-2.7)、反応時間(DOR)は5.8カ月(95%信頼区間:4.7-10.6)。

 25%以上の患者で認めた(全グレード)治療関連の有害事象は、脱毛、好中球減少、疲労、末梢神経障害、吐き気、貧血、白血球減少、便秘、下痢だった。36例(64.3%)が、グレード3/4の治療関連有害事象を経験した。重度の有害事象は5例(8.9%)。発熱性好中球減少が3例(5.4%)、好中球減少が3例(5.4%)、白血球減少が1例(1.8%)。

 有害事象による減量/治療中断/延期は30例(53.6%)、治療中止は6例(10.7%)。22例(39.3%)が最初の投与から平均2.6週(18日)でG-CSFの投与を要した。

 McIntyre氏は「エリブリンは、十分に治療を受けたHER2陰性MBCのみならず、未治療のHER2陰性MBCにおいても、高い活性を有することが示された。安全性プロファイルも、これまでに知られているものと一貫性があった。今後、フェーズ3試験を経て、未治療MBC患者でも使用可能になることを期待する」とした。