乳癌手術後のアロマターゼ阻害(AI)剤による関節痛を運動慮法で緩和できる可能性が明らかとなった。無作為化臨床試験HOPE(Hormones and Physical Exercise)の結果示されたもの。12月10日から14日まで米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2013)で、米Yale UniversityのMelinda L. Irwin氏によって発表された。

 HOPE試験は1期から3C期のホルモン受容体陽性乳癌患者で、少なくとも6カ月間AI剤を服用し、軽度以上の関節痛を経験している121人の閉経後女性を運動療法群(61人)と通常療法群(60人)に割り付けて行われた。両群の患者とも6カ月後、12カ月後の来院で評価された。

 関節痛の評価はBPI(Brief Pain Inventory)スコアで行った。BPIスコアは0点から10点までで点数化され、3から4点は軽度の痛み、5から7点は中等度の痛み、8点から10点は重度の痛みと評価される。

 運動療法群には週2回の筋力強化トレーニング(6種類の共通した運動の8回から12回繰り返しの3セット)、週に2.5時間の中等度の有酸素運動が行われた。通常療法群には運動の勧めなどの文書を提供し、毎月AI剤の服用遵守の電話を行った。
 
 参加した患者は運動能力はあるが運動が不活発(1週間に90分未満)の過体重の女性で、60代のほとんどが非ヒスパニックの白人だった。高度な教育を受けており、診断後2年、AI剤を1.5年服用しているステージ1、2の患者がほとんどだった。

 試験の結果、12カ月後の運動活性は運動療法群の平均が158.9分/週、通常療法群が48.9分/週で有意(p=0.0001)に差がついていた。運動療法群の週2回の筋力トレーニング実施の平均は70%。最大酸素摂取量は運動療法群は6.5%増加し、通常療法群は1.8%減少した。体重は運動療法群が3%減少し、通常療法群は変化がなかった。

 BPIスコアは最悪の痛み、痛みの重症度、痛みの干渉のいずれも、運動療法群でのみベースラインから12カ月後で有意(p<0.05)に改善していた。改善度合いは運動の遵守が80%以上の患者のほうが80%以下の患者よりも高かった。