第3世代アロマターゼ阻害剤であるアナストロゾール投与が、ハイリスクの閉経後女性の乳癌発生を予防できる可能性が明らかとなった。International breast cancer intervention studyII(IBIS-II)の最初の結果発表で示されたもの。12月10日から14日まで米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2013)で、英国Queen Mary UniversityのJack Cuzick氏によって発表された。

 IBIS-II試験は多施設無作為化プラセボ対照試験。家族歴など乳癌のリスクが高い閉経後の女性3864人を対象に、アナストロゾール1mg(1920人)かプラセボ(1944人)を毎日5年間投与して行われた。主要評価項目は乳癌(非浸潤性乳管癌を含む)の発生の差だった。

 観察期間中央値5.03年の後で、125件の乳癌発生が認められた(アナストロゾール群40件、プラセボ群85件)。アナストロゾール群では乳癌発生が53%減少していた。ハザード比は0.47(95%信頼区間:0.32-0.68、p<0.0001)で有意な差が認められた。エストロゲン受容体陽性浸潤癌は67件発生した。アナストロゾール群20件、プラセボ群47件で、ハザード比は0.42(95%信頼区間:0.25-0.71、p=0.001)で有意な差が認められた。非浸潤性乳管癌は26件(アナストロゾール群6件、プラセボ群20件)発生し、ハザード比は0.30(95%信頼区間:0.12-0.74)で有意な差が認められた。浸潤癌全体は96件(アナストロゾール群32件、プラセボ群64件)発生し、ハザード比は0.50(95%信頼区間:0.32-0.76)で有意な差があった。エストロゲン受容体陰性浸潤癌は25件(アナストロゾール群11件、プラセボ群14件)発生し、ハザード比は0.78(95%信頼区間:0.35-1.72)で有意な差ではなかった。

 コンプライアンスは、5年時点でプラセボ群72%、アナストロゾール群68%で、ハザード比0.84(95%信頼区間:0.75-0.95)、p=0.005で有意な差があった。

 骨折はアナストロゾール群164件(8.5%)、プラセボ群149件(7.7%)で、相対比率は1.11(95%信頼区間:0.90-1.38)で有意には増加していなかった。

 しかし筋骨格系のイベントはアナストロゾール群1226件(63.9%)、プラセボ群1124件(57.8%)で相対比率1.10(95%信頼区間:1.05-1.16)で有意にアナストロゾール群で多かったが、両方の群で最も多く見られた症状だった。そのうち関節痛はアナストロゾール群972件、プラセボ群894件発生し相対比率1.10(95%信頼区間:1.03-1.18)で有意にアナストロゾール群で多かった。軽度の関節痛はアナストロゾール群、プラセボ群ともに20%、中等度はアナストロゾール群22%、プラセボ群19%、重度はアナストロゾール群8%、プラセボ群6%だった。関節のこわばりは、アナストロゾール群143件、プラセボ群96件発生し相対比率1.51(95%信頼区間:1.17-1.94)でアナストロゾール群で多かった。手根管/神経圧迫はアナストロゾール群67件、プラセボ群43件発生し相対比率1.58(95%信頼区間:1.08-2.30)でアナストロゾール群で多かった。

 血管運動系の症状もアナストロゾール群で増加していた。RRが1.15(1.08-1.22)だった。全症状度合いでアナストロゾール群が多かった。婦人科系の症状はアナストロゾール群で多い傾向があった。

 他の部位の癌はアナストロゾール群で有意に減少していた。アナストロゾール群が40件、対照群が70件でRRは0.58(0.39-0.85)だった。