HER2陽性の転移を有する乳癌のファーストライン治療として、ペルツズマブトラスツズマブビノレルビンの3剤併用は安全に投与できる可能性が明らかとなった。フェーズ2試験VELVETの、安全性の中間評価の結果示されたもの。12月10日から14日まで米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2013)で、米Mayo ClinicのPerez EA氏によって発表された。

 VELVET試験は多施設オープンラベル単群2コホートフェーズ2試験。各コホートごとに105人の登録を目指して行われた。対象はHER2陽性の転移を有する乳癌または局所進行乳癌患者で、ベースラインの左室駆出分画率が55%以上の患者とされた。ホルモン剤でない全身性の抗癌剤治療を受けていない患者に限定された。

 コホート1は、ペルツズマブ、トラスツズマブ、ビノレルビンの3剤を別々に接種された。コホート2はペルツズマブとトラスツズマブを1つの注入袋に入れたものから接種を行い、その後にビノレルビンの投与を行った。コホート1では、ペルツズマブは初回用量が840mgでその後は3週おきに420mgを投与した。各サイクルの1日目に投与された。トラスツズマブは初回用量が8mg/kgでその後は3週おきに6mg/kgを投与した。1サイクル目は2日目、その後は1日目か2日目に投与された。ビノレルビンは1サイクル目の2日目と9日目に25mg/m2を投与し、その後は3週おきに各サイクルの1日目と8日目に30から35mgを投与した。

 主要評価項目は独立して評価された奏効率。副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性だった。

 今回は、2013年9月10日をカットオフとするコホート1に関する中間的な安全性のデータが発表された。106人が登録され、スクリーニング時の年齢中央値は56歳(30-82)だった。最初の乳癌の診断から登録までの期間の中央値は2.6年(0-24)だった。33%の患者が最初に診断されたときに4期の乳癌だった。進行乳癌と診断された時点では13.2%が局所進行乳癌で、86.8%が転移を有する乳癌だった。過去に化学療法を受けた経験があり、タキサン系抗癌剤の投与を受けたのは38.7%、アントラサイクリン系が38.7%だった。トラスツズマブの投与を術前療法で受けたのは10.4%、術後補助療法で受けたのは34.0%、その他が1.9%だった。今回の解析時点で、3剤の投与サイクル数中央値はペルツズマブが12.0(1-22)、トラスツズマブが12.0(0-22)、ビノレルビンが9.0(0-21)だった。

 全グレードで何らかの副作用が発現したのは105人(99.1%)。多く見られたのは下痢52人(49.1%)、好中球減少症50人(47.2%)、吐き気45人(42.5%)、無力症34人(32.1%)、倦怠感33人(31.1%)、発熱32人(30.2%)などだった。

 多く見られたグレード3以上の副作用は好中球減少症25人(23.6%)、白血球減少症9人(8.5%)、下痢6人(5.7%)、発熱性好中球減少症6人(5.7%)、無力症5人(4.7%)、便秘が4人(3.8%)だった。30人(28.3%)が重篤な副作用を経験し、2人以上で見られたのは発熱性好中球減少症、過敏症、腹痛、発熱薬物過敏性だった。

 副作用の発現率は、CLEOPATRA試験(ペルツズマブ、トラスツズマブ、ドセタキセル)やHERNATA試験(トラスツズマブ、ビノレルビン)と比べて、良好な結果だった。