トラスツズマブ-DM1(T-DM1)は、転移を有する既治療HER2陽性日本人乳癌患者でも有効で忍容性があることが明らかになった。日本で実施された多施設フェーズ2試験JO22997の結果、示されたもの。成果は12月4日から8日まで開催されたサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2012)で、国立病院機構大阪医療センターの増田慎三氏によって発表された。

 JO22997試験は多施設単群フェーズ2試験。転移を有する既治療HER2陽性乳癌患者に3週おきにT-DM1を3.6 mg/kg投与した。主要評価項目は独立審査委員会による奏効率。副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、安全性などだった。

 73人の日本人患者がT-DM1の投薬を受けた。年齢中央値は58歳(36-82)。 エストロゲン受容体陽性かつ/またはプロゲステロン受容体陽性患者は39人(53%)だった。前治療レジメン数中央値は3(1-8)で、43人(59%)はラパチニブの投与を受けていた。

 試験の結果、独立審査委員会による評価で奏効率は38.4%(90%信頼区間:28.8-48.6)で、すべて部分奏効(PR)だった。臨床利益率(PRと24週以上の病勢安定)は45.2%(95%信頼区間:33.5-57.3)。 独立審査委員会による評価でPFS中央値は5.6カ月(95%信頼区間:4.6-8.2)だった。奏効率、PFSは海外のデータと同等だった。

 多く見られたグレード3以上の副作用は血小板減少症(22%)、 AST値上昇(14%)、ALT値上昇(8%)、嘔吐(6%)だった。グレード3以上の血小板減少症が海外の報告よりも多かったが、血小板輸血を受けた患者はいなかった。