局所、領域再発した微小乳癌(ILRR)患者では術後補助化学療法を行うことで、無病生存期間(DFS)、全生存期間(OS)を延長できる可能性が明らかとなった。国際臨床試験The CALOR(Chemotherapy as Adjuvant for LOcally Recurrent Breat Cancer. IBCSG27-02,NSABP B-37, BIG1-02)の結果示されたもの。12月4日から8日まで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2012)で、スイスLuzerner Kantonsspital in LuzernのStefan Aebi氏によって発表された。

 乳癌のILRRは予後が悪いことが知られている。ILRRに対する術後補助化学療法の有用性を前向きに検討した無作為化試験は試験はCALOR試験が初めてだという。

 CALOR試験は、術後に、以前に受けた化学療法、エストロゲン受容体(ER)陽性かつ/またはプロゲステロン受容体(PgR)陽性、ILRRの位置で患者を層別化し、化学療法を受ける群と受けない群に無作為に割り付けた。ER陽性かつ/またはPgR陽性患者には内分泌療法を追加した。抗HER2療法を加えることも選択できるようにした。化学療法は研究者によって選ばれるが、2剤以上、3から6カ月の投薬が推奨されていた。40グレイ以上の放射線療法が全員に推奨され、一部の患者では義務付けられた。主要評価項目はDFS。副次評価項目はOSだった。

 162人の患者は化学療法あり群に85人、化学療法なし群に77人が割り付けられた。

 化学療法あり群は、最初の手術が乳房全摘だった患者が39%、乳房温存だった患者が61%、化学療法歴があったのは58%、最初の手術からILRRの手術までの期間の中央値は5年(0.3-32)、ILRR時点で閉経状態だったのは76%、年齢中央値は56歳(38-71)だった。ILRRの位置が胸部だったのは55%、ILRRのER陽性が66%、PgR陽性が52%。放射線療法を受けたのは44%、ER陽性ILRRで内分泌療法を受けたのは91%だった。

 化学療法なし群は、最初の手術が乳房全摘だった患者が40%、乳房温存だった患者が60%、化学療法歴があったのは68%、最初の手術からILRRの手術までの期間の中央値は6(0.4-22)、ILRR時点で閉経状態だったのは826%、年齢中央値は56歳(31-82)だった。ILRRの位置が胸部だったのは53%、ILRRのER陽性が62%、PgR陽性が45%。放射線療法を受けたのは39%、ER陽性ILRRで内分泌療法を受けたのは92%だった。

 試験の結果、DFSについては化学療法あり群のイベント数が24、化学療法なし群のイベント数が34で、ハザード比0.59(95%信頼区間:0.35-0.99)、p=0.0455で有意に化学療法あり群で延長していた。5年DFS率は化学療法あり群が69%、化学療法なし群が57%だった。

 ER陽性患者の場合、化学療法あり群(56人)のイベント数が16、化学療法なし群(48人)のイベント数が16で、ハザード比0.94(95%信頼区間:0.47-1.89)、p=0.87で両群に差はなかった。5年DFS率は化学療法あり群が70%、化学療法なし群が69%だった。

 ER陰性患者の場合、化学療法あり群(29人)のイベント数が8、化学療法なし群(29人)のイベント数が18で、ハザード比0.32(95%信頼区間:0.14-0.73)、p=0.0007で化学療法あり群で有意に延長していた。5年DFS率は化学療法あり群が67%、化学療法なし群が35%だった。

 OSについても化学療法あり群のイベント数が9、化学療法なし群のイベント数が21で、ハザード比0.41(95%信頼区間:0.19-0.89)、p=0.02で有意に化学療法あり群で延長していた。5年OS率は化学療法あり群が88%、化学療法なし群が76%だった。

 ER陽性患者の場合、化学療法あり群のイベント数が4、化学療法なし群のイベント数が10で、ハザード比0.40(95%信頼区間:0.12-1.28)、p=0.12で両群に有意な差はなかった。5年OS率は化学療法あり群が94%、化学療法なし群が80%だった。

 ER陰性患者の場合、化学療法あり群のイベント数が5、化学療法なし群(29人)のイベント数が11で、ハザード比0.43(95%信頼区間:0.15-1.24)、p=0.12で有意な差はないが化学療法群で延長する傾向があった。5年OS率は化学療法あり群が79%、化学療法なし群が69%だった。

 これらの結果から、完全切除を受けたILRR患者では術後補助化学療法を患者に勧めるべきと研究グループは結論づけた。特にER陰性再発患者には強く勧められるとし、ER陰性再発患者にはより長期の観察期間が必要とした。