35歳以下の若い乳癌患者は、36歳以上の乳癌患者に比べて術前化学療法が有効である可能性が明らかとなった。また高齢者と比較してルミナールAサブタイプ、トリプルネガティブだと病理学的完全奏効(pCR)が得やすいことも示された。GBGとAGO-Bが実施した8件の術前補助化学療法の試験、計8949人を対象に解析した結果分かったもの。12月4日から8日まで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2012)で、ドイツUniversity of FrankfurtのSibylle Loibi氏によって発表された。

 Loibi氏は、ルミナールサブタイプAの若い乳癌患者は術前化学療法もしくは術後補助化学療法を考慮すべきだとした。

 研究グループは、Gepardio試験など8件のドイツで実施された術前化学療法のデータを解析した。合計8949人を35歳以下(704人)、36歳から50歳(4167人)、51歳以上(4078人)に分け、それぞれ全体、ホルモン受容体/HER2の発現に応じてサブグループ分けした場合のpCR率、無病生存期間(DFS)、無局所再発生存(LRFS)、全生存期間(OS)について調べた。

 35歳以下のグループはトリプルネガティブ乳癌の割合が最も高く32%、36歳から50歳は25%、21%だった。ルミナールAサブタイプ乳癌の割合は最も少なく35%、36歳から50歳は48%、51%だった。

 pCR率は35歳以下のグループが23.6%、36歳から50歳のグループで17.5%、51歳以上のグループが13.5%で有意に35歳以下のグループで高かった(p<0.0001)。年齢はpCRが得られる独立した因子だった。pCR率が35歳以下で高いことは、サブタイプ別ではルミナールA型とトリプルネガティブ型で確認された。

 DFSとLRFSでは35歳以下の患者で悪いことが示された。DFSは35歳以下と36歳から50歳の間ではハザード比0.83(95%信頼区間:0.70-0.98、p=0.031)と有意な差があった。LRFSも35歳以下と36歳から50歳の間ではハザード比0.74(95%信頼区間:0.58-0.95、p=0.018)と有意な差があった。

 また、ホルモン受容体陽性/HER2陰性の35歳以下の患者では、pCRが得られた患者の方が、得られなかった患者よりもDFSが良かった。