閉経後HER2陰性でホルモン感受性進行乳癌に、ファーストラインとしてホルモン療法に加えてベバシズマブを投与しても、ホルモン療法単剤よりもPFSを有意に延長できないことが明らかとなった。フェーズ3試験LEAの初めての有効性評価の結果示されたもの。成果は12月4日から8日まで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2012)で、スペインInstituto de investigacion Sanitaria Gregono MaranonのMartin M氏によって発表された。

 前臨床試験の結果と臨床データのレトロスペクティブな解析の結果から、乳癌におけるVEGFの高レベルとホルモン療法の効果低下が関連していることが示唆されている。LEA試験は、ホルモン感受性進行乳癌患者で抗VEGF薬であるベバシズマブをホルモン療法に併用することで、ホルモン療法抵抗性になることを阻害できるかどうかを検証するために行われた。

 LEA試験はGEICAM(Spanish Breast Cancer Research Group)とGBG(German Breast Group)の共同で行われた、2カ国多施設無作為化オープンラベルフェーズ3試験。HER2陰性ホルモン受容体陽性で局所進行または転移を有する乳癌患者を、ファーストラインとして毎日レトロゾール2.5mgの投与か4週おきにフルベストラント250mgを投与するホルモン療法に加えて、ベバシズマブを3週おきに15mg/kg投与する群(ベバシズマブ群)と加えない群(ホルモン療法のみ群)に1対1に割り付けた。割り付け前に、術後補助療法としてのアロマターゼ阻害剤(AI)投与の有無、病巣の数(1個か複数個か)、測定可能病変の有無、参加した国(スペインかドイツか)によって層別化されていた。

 主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)。副次評価項目は全生存期間(OS)、薬剤効果喪失までの時間(TTF)、奏効率、奏効期間、臨床利益率、副作用、バイオマーカー。PFS中央値の期待値はホルモン療法のみ群9カ月、ベバシズマブ群を13カ月と設定した結果、354人の患者で232人がPFSイベントを発生することが必要だった。270イベントが起きたところで有効性解析をすることが予定されていた。

 2007年11月から2011人の間に380人の患者が、ベバシズマブ群191人、ホルモン療法のみ群189人に割り付けられた。レトロゾールを投与された患者は342人、フルベストラントを投与された患者は38人だった。患者背景には両群に差はなかった。年齢はホルモン療法のみ群は46%が64歳以下で、70歳超は34.9%、ベバシズバブ群は52.8%が64歳以下で、70歳超は29.3%だった。全身状態はホルモン療法のみ群の71.4%、ベバシズマブ群の72.8%がECOG PS 0だった。局所進行患者はホルモン療法のみ群が3.2%、ベバシズマブ群が3.1%、測定病変がある患者はホルモン療法のみ群が79%、ベバシズマブ群が75%、骨転移のある患者はホルモン療法のみ群、ベバシズマブ群ともに65%、内臓転移がある患者は両群ともに48%だった。

 試験の結果、PFS中央値はホルモン療法のみ群が13.8カ月、ベバシズマブ群が18.4カ月で、ベバシズマブの方が良い傾向にあったもののハザード比は0.83(95%信頼区間:0.65-1.06)、p=0.14で有意な差ではなかった。OS中央値はホルモン療法のみ群が42カ月、ベバシズマブ群は41カ月で、ハザード比1.18(95%信頼区間:0.77-1.81)、p=0.469で差はなかった。

 主な副作用(全グレード)のうち両群で有意差があったのは倦怠感(ベバシズマブ群50.5%、ホルモン療法のみ群は29.0%、p<0.001)、高血圧(59.0%、15.9%、p<0.001)、出血(18.6%、1.7%、p<0.001)、蛋白尿(30.3%、2.8%、p<0.001)、肝酵素上昇(30.3%、2.8%、p<0.001)だった。また、グレード3/4の血栓もベバシズマブ群2.1%、ホルモン療法のみ群0%だった。

 研究グループは、バイオマーカーの研究によってベバシズマブを投与することが有用な患者群を同定できる可能性を指摘した。