原発乳癌に対する術前化学療法を検討した第3相のGeparQuattro試験の生存に関する解析から、EC(エピルビシン+シクロホスファミド)+ドセタキセルにカペシタビンを同時または連続で投与しても、同試験の主要評価項目である病理学的完全奏効(pCR)率を改善できなかった結果と同様、生存期間も延長できないことがわかった。12月4日から8日まで米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2012)で、ドイツGerman Breast Group、Universitats-Frauenklinik FrankfurtのGunter von Minckwitz氏が発表した。

 Minckwitz氏らは同試験から、術前化学療法でEC+ドセタキセルにカペシタビンを同時または連続で投与しても、pCR率を改善できなかったことを既に報告している(G. von Minckwitz, et al. J Clin. Oncol 2010;28:2015-2023)。

 今回は、GeparQuattro試験の追跡期間中央値5.4年における生存について、再発した291人と死亡した176人を含む解析が行われ、報告された。解析の評価項目は無再発生存期間(DFS)と全生存期間(OS)だった。

 対象は、cT3、cT4、またはホルモン受容体陰性、またはホルモン受容体陽性であるがリンパ節転移陽性の患者。全例にEC療法を4サイクル施行後、ドセタキセル100mg/m2を4サイクル投与する群(D群)、ドセタキセル75mg/m2とカペシタビン1800mg/m2を併用で4サイクル投与する群(DX群)、ドセタキセル75mg/m2を4サイクル投与後にカペシタビン1800mg/m2を4サイクル投与する群(D→X群)にランダムに割り付けた。HER2陽性の患者には1年間トラスツズマブを併用し、ホルモン受容体陽性の患者には標準治療に則り、全例に内分泌療法を行った。

 ITT解析対象は、化学療法については1421人、トラスツズマブについては1495人となった。試験治療群の内訳は、D群471人、DX群471人、D→X群479人となった。

 解析の結果、DFSとOSにおいて、D群、DX群、D→X群の差は認めなかった。術前化学療法施行後のDFSでは、カペシタビンの追加によるハザード比は0.92(95%信頼区間:0.73-1.15)だった(p=0.463)。OSでは、カペシタビンの追加によるハザード比は0.93(95%信頼区間:0.69-1.25)だった(p=0.618)。

 トラスツズマブを追加したHER2陽性の患者のOSは、化学療法のみを施行したHER2陰性の患者と比べて、ハザード比0.76で良好な傾向がみられた(p=0.074)。

 EC療法を4サイクル施行後にpCRが得られた患者、手術時にpCRが得られた患者、ypT分類でypT0が得られた患者では、それらが得られなかった患者と比べてDFSが有意に良好だった(いずれもp<0.0001)。

 Minckwitz氏は「今回の試験では、DX群とD→X群のドセタキセルの用量をD群より低くしており、カペシタビンの効果が正確に評価できなかった可能性がある。また術前化学療法においても、転移を有する場合と同様にトラスツズマブを使用すれば、HER2陽性の患者の生存期間はHER2陰性の患者を上回る」と結んだ。