エリブリンは、再発または転移を有する乳癌患者へのファーストラインとして安全かつ有効である可能性が報告された。米国Weill Cornell Medical CollegeのLinda Vahdat氏らが、米国サンアントニオで12月4日から開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS)でフェーズ2試験の結果を発表した。

 エリブリンは、タキサン系とは異なる部位に作用し、微小管運動を阻害する。

 Vahdat氏らは、HER2陰性の再発または転移を有する乳癌患者を対象に、エリブリンをファーストラインとして単剤投与した際の奏効率を検討した。

 対象は、18歳以上、ECOG PSが0-2の再発または転移を有するHER2陰性乳癌患者48人。3週間を1サイクルとし、エリブリンを1日目、8日目に、1日1.4mg/m2を2〜5分かけて静脈内投与した。

 主要評価項目は奏効率(ORR)。副次評価項目は、安全性と忍容性、効果発現までの期間(TTR)、奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)。

 患者の平均年齢は56.5歳、ECOG PS 0が52.1%、全例がステージIVだった。エストロゲン受容体(ER)陽性またはプロゲステロン受容体(PR)陽性患者は79.2%、ER陰性かつPR陰性は20.8%、トリプルネガティブ(ER、PR、HER2全て陰性)は20.8%。骨転移は64.6%、肝転移は43.8%、肺転移は39.6%で見られた。患者の約8割が前治療を受けていたが、その約9割は術前または術後補助化学療法だった。前治療でアントラサイクリン系を使用していた患者は52.1%、タキサン系は47.9%。

 試験の結果、全体のORRは27.1%(13人)だった。部分奏効(PR)が27.1%、安定(SD)が47.9%、病勢進行(PD)が22.9%。受容体の発現状態別に奏効率を見ると、ER陽性は28.6%、トリプルネガティブ患者が30.0%だった。

 また、TTR中央値は1.4カ月、DOR中央値は7.4カ月、PFS中央値は5.9カ月だった。

 全グレードの主な有害事象は、脱毛症、好中球減少症、倦怠感だった。グレード3または4の好中球減少症は患者の半数で見られた。

 グレード3または4の薬剤関連の有害事象は62.5%の患者で確認された。さらに、重篤な薬剤関連の有害事象は8.3%の患者で見られ、好中球減少症と発熱性好中球減少症はそれぞれ4.2%、白血球減少症は2.1%だった。この薬剤関連有害事象により、54.2%の患者で投与量の減量や遅延、中止に至った。

 これらの結果からVahdat氏は、「ER陽性かつHER2陰性、またはトリプルネガティブの再発または転移を有する乳癌患者において、エリブリンはファーストラインとして抗腫瘍活性があり、安全性プロファイルは忍容できるものであることが示唆された」と語った。また来年末までに最終結果が出ることが期待されるとした。