HER2陰性エストロゲン受容体(ER)陽性進行乳癌に対するファーストラインとして、経口CDK4/6阻害剤PD 0332991レトロゾールの併用は、レトロゾール単剤投与よりも無増悪生存期間(PFS)を大きく延長できる可能性が明らかとなった。無作為化フェーズ2試験TRIO-18の結果示されたもの。この試験では両剤の忍容性も確認された。成果は12月4日から8日まで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2012)で、University of California Los AngelesのFinn RS氏によって発表された。

 PD 0332991は 選択的CDK4/6阻害剤で、細胞周期のG1期からS期への移行を押さえることで細胞のDNA合成を阻害する。乳癌細胞株パネルを使った前臨床研究で、PD 0332991の効果は、ルミナールERサブタイプ、cyclin D1とRbたんぱく質の上昇とp16の発現減少が関連することが示されている。またin vitroの実験でタモキシフェンと相乗効果を発揮することが示されている。

 無作為化フェーズ2試験は、PD 0332991を毎日125mg、3週投与し1週休薬、レトロゾールを毎日2.5mg投与する群(L+P群)と、レトロゾールを毎日2.5mg投与する群(L群)に分けて行われた。またフェーズ2試験はパート1とパート2の2段階に分けて実施された。パート1はER陽性HER2陰性進行乳癌を対象に行われ、パート2は適格条件をER陽性HER2陰性に加えて、FISH法でCCND1増幅かつ/またはp16の欠失として実施された。

 主要評価項目はPFS、副次評価項目は奏効率、全生存期間(OS)、安全性、バイオマーカーの評価など。

 両パートとも、ER陽性/HER2陰性閉経後乳癌患者をL+PとL群に無作為に1対1に割り付けて実施された。患者には病状進行や受け入れられない毒性の発現、インフォームドコンセントの撤回が起きるまで投与が継続された。腫瘍の評価は2カ月ごとに行われた。

 パート1には66人が参加し、パート2には99人の患者が追加された。1回目の中間解析として、パート1の結果が既に発表されており、L+P群がL群に比べてPFS中央値を有意に延長できることが示されていた。ハザード比は0.35(95%信頼区間:0.17-0.72、p=0.006)だった。

 今回は2回目の中間解析として、99人を追加したパート2とパート1をあわせたデータで、PFSイベントが57件起きた時点の結果が発表された。PFS中央値がL+P群(84人)が26.1カ月(95%信頼区間:12.7-26.1)、L群(81人)が7.5カ月(95%信頼区間:5.6-12.6)で統計学的に有意な延長が認められた。ハザード比は0.37(95%信頼区間:0.21-0.63、p<0.001)だった。L+P群の奏効率は32%、L群は26%で、臨床利益率は70%と44%だった。

 投薬期間の中央値はL+P群が8.9カ月、L群が5.1カ月だった。

 L+P群で多く見られた治療関連副作用は、好中球減少症、白血球減少症、倦怠感、貧血だったが、管理可能な範囲だった。

 フェーズ3試験は2013年に開始される予定だ。