未治療のHER2陽性転移性乳癌に対し、HER二量体化阻害ヒト化モノクローナル抗体pertuzumabとトラスツズマブ、ドセタキセルの3剤併用は、プラセボとトラスツズマブ、ドセタキセルの併用に比べ、無増悪生存期間(PFS)を6.1カ月延長させ、増悪リスクを38%低下させることが、無作為化二重盲検フェーズ3試験CLEOPATRAで明らかになった。米国Massachusetts General Hospital Cancer CenterのJose Baselga氏らが、12月6日から10日に米国サンアントニオで開催されたサンアントニオ乳癌シンポジウム2011で発表した。

 CLEOPATRA (CLinical Evaluation Of Pertuzumab And TRAstuzumab)は、HER2陽性で転移性乳癌もしくは局所再発乳癌もしくは切除不能乳癌患者808人を対象に行われた。患者は無作為に2群に分けられ、トラスツズマブとドセタキセルに加え、pertuzumab(pertuzumab群、402人)もしくはプラセボ(プラセボ群、406人)が投与された。

 プラセボ群では、3週おきに、ドセタキセル75-100mg/m2が6サイクルもしくは許容できない毒性の発生もしくは病勢進行まで投与された。トラスツズマブは初回用量8mg/kg、その後6mg/kg が投与された。pertuzumab群では、トラスツズマブとドセタキセルは同量が投与され、pertuzumabは3週おきに、初回用量840mg、その後420mgが投与された。

 主要評価項目は独立審査委員会が判定したPFS、副次評価項目は全生存(OS)、治験担当医によるPFS、安全性、奏効率、奏効期間、症状増悪までの期間、臨床効果とバイオマーカーの関連性と設定された。

 患者の年齢中央値は両群とも54歳。地域別ではアジアがプラセボ群では31.5%、pertuzumab群では31.1%、欧州がそれぞれ37.4%、38.3%、北米が両群とも16.7%、南米がプラセボ群は14.3%、pertuzumab群は13.9%だった。

 試験の結果、独立審査委員会によるPFS中央値は、pertuzumab群が18.5カ月、プラセボ群は12.4カ月で、6.1カ月の違いがあった。ハザード比は0.62、95%信頼区間は0.51-0.75、p<0.0001であり、pertuzumabによってPFSは38%改善した。治験担当医によるPFSではハザード比は0.65、95%信頼区間は0.54-0.78、p<0.0001だった。

 また対象にはトラスツズマブやタキサン系抗癌剤による術前・術後療法を受けた患者が含まれていたが、トラスツズマブ治療歴のある患者では、独立審査委員会によるPFS中央値は、pertuzumab群が16.9カ月、プラセボ群は10.4カ月で、ハザード比は0.62(95%信頼区間:0.35-1.07)だった。治療歴のない患者ではpertuzumab群が21.6カ月、プラセボ群は12.6カ月、ハザード比は0.60(同:0.43-0.83)だった。

 奏効率はpertuzumab群が80.2%、プラセボ群が69.3%(p=0.0011)で、CR率はそれぞれ5.5%、4.2%であった。

 中間解析で、OS中央値は19.3カ月、OSイベントは165人。2群間のハザード比は0.64、95%信頼区間は0.47-0.88、p=0.0053であり、pertuzumab群のほうが良好な傾向が示された。OSの最終解析はイベントが50%生じた時点で実施することが計画されている。

 主なグレード3以上の有害事象は、好中球減少がpertuzumab群では48.9%、プラセボ群では45.8%だが、発熱性好中球減少がpertuzumab群は13.8%、プラセボ群では7.6%、下痢はそれぞれ7.9%、5.0%だった。また皮疹や粘膜炎、皮膚乾燥はpertuzumabで多かった。しかし有害事象は主にグレード1-2であり、管理可能であった。心毒性や左室機能不全は3剤併用でも増加することはなかった。