米Synta Pharmaceuticals社は、熱ショック蛋白質90(Hsp90)を強力に阻害する合成低分子薬であるganetespib(以前はSTA-9090と呼ばれていた)が、化学療法歴のあるHER-2陽性またはトリプルネガティブの転移性乳癌患者に利益をもたらす可能性がフェーズ2試験で示されたと発表した。オープンラベルのフェーズ2試験の結果は、米Memorial Sloan-Kettering癌センターのShanu Modi氏らによってSan Antonio乳癌シンポジウム2011でポスター発表された。

 この試験は、転移性乳癌に対する化学療法を1-3種類受けた患者(HER-2陽性患者についてはトラスツズマブ治療歴がある患者に限定)22人を最初に登録し、奏効が3例以上になったら登録患者を40人まで増やす設計になっていた。

 22人の年齢の中央値は51歳だった。内訳は、エストロゲン受容体(ER)陽性でHER-2陽性の患者が10人、ERは陰性でHER-2陽性患者が3人、ERは陽性でHER-2陰性は6人、トリプルネガティブ(ER、プロゲステロン受容体、HER-2の3つが陰性)の患者が3人だった。

 200 mg/m2のganetespibを週1回静注する治療を3週間行い、1週間休薬するサイクルで投与し、忍容性を示した患者には病気が進行するまで治療を継続した。

 主要エンドポイントに設定された全奏効率(完全奏効+部分奏効)は9%(2人、いずれもHER-2陽性者)、病勢安定は7人(32%、6人がHER-2陽性者、1人がトリプルネガティブ患者)、臨床的有効率(6カ月以上持続する完全奏効+部分奏効+病勢安定)は9%(2人、いずれもHER-2陽性者)、無増悪生存期間の中央値は7週、全生存期間の中央値は28週になった。

 HER-2陽性患者に限定すると、15%(13人中2人)が部分奏効、46%(13人中6人)は病勢安定と判断されていた。

 忍容性も高く、最も多く報告された有害事象は下痢と疲労感だった。グレード3/4の有害事象が数人に見られたが、ほとんどが介入により管理できた。

 ganetespibは第2世代のHSP90阻害薬で、第1世代の17-AAGをトラスツズマブと併用して先に行われたフェーズ2試験でも、HER-2陽性患者の22%が部分奏効、37%が病勢安定を経験していた。今回の結果は、Hsp90阻害薬は単剤でもHER-2陽性乳癌患者に有効であることを示した。

 2012年には、ganetespibをパクリタキセル、トラスツズマブとともにHER-2陽性患者に適用する試験、パクリタキセルとともにトリプルネガティブ患者に投与する試験の開始が予定されている。

 また、非小細胞肺癌を対象とするフェーズ2b/3 GALAXY試験をはじめとして、さまざまな癌にganetespibを適用する臨床試験が現在進行中だ。