進行性の閉経後ER陽性、HER2陰性の乳癌患者のファーストライン治療として、PD0332991とレトロゾールの併用は忍容性が良好であることがフェーズ2試験から示された。PD0332991は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4および6を選択的に阻害し、細胞周期のG1期からS期への移行を阻害して細胞内のDNA合成を妨害する経口薬である。結果は、12月6日から10日まで米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS)で、米University of California at Los AngelesのRichard S Finn氏が発表した。

 前臨床試験では、CDKN2A(p16)の発現とサイクリンD1(CCND1)の過剰発現が抑制され、PD0332991に対する感受性が考えられた。またin vitroのER陽性乳癌細胞株では、タモキシフェンとの併用で相乗効果が認められた。
 
 これらの知見に基づき、Finn氏らは、進行性の閉経後ER陽性乳癌に対するファーストライン治療として、レトロゾールとPD0332991を併用するフェーズ1/2試験を開始した。
 
 フェーズ1試験はすでに終了し、フェーズ2試験におけるPD0332991の推奨量は125mg/日、3週投与1週休薬で、レトロゾールは2.5mg/日で併用することとなった。フェーズ1試験の忍容性は良好で、抗腫瘍活性もみられた。
 
 フェーズ2試験は多施設共同の無作為化試験で、2つのパートから構成され、今回はパート1の部分が報告された。
 
 パート1では進行性の閉経後ER陽性、HER2陰性乳癌の女性を登録し、パート2ではCCND1が増幅しFISHでp16の発現喪失がある、またはそのどちらかを認めることも基準に加え、現在登録が進められている。患者は病変の部位と術後補助療法から再発までの期間で層別化した。
 
 パート1、2とも、患者をレトロゾール2.5mg/日とPD0332991を125mg/日で併用する治療群と、レトロゾール2.5mg/日のみを投与する対照群に1:1で割り付けた。治療は、進行、受容不能な毒性の発現、同意の撤回まで継続され、8週毎に腫瘍の評価が行われた。
 
 主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次的評価項目は奏効率、臨床的有効率(CBR)などだった。
 
 66人がパート1で無作為化され、治療群に34人(年齢中央値66歳)、対照群に32人(同64歳)が割り付けられた。データのカットオフ日(2011年10月)時点での治療継続期間は、治療群47週、対照群24週だった。治療群では20人、対照群では8人が治療を継続中である。
 
 PFSは現時点では未到達。
 
 有害事象のために治療を中止したのは治療群の11人(33人)、減量が必要となったのは治療群の12人(36%)だった。治療に関連する有害事象では、治療群のみにグレード3以上の好中球減少と白血球減少が発現し、それぞれ58%(このうちグレード4は6%)と18%だった。有熱性の好中球減少は報告されていない。

 完全奏効は認められなかったが、奏効率とCBRは対照群と比較して治療群で高かった。治療群と対照群において、部分奏効は7人(27%)と5人(23%)、24週以上継続した安定状態は13人(38%)と9人(28%)、CBRは20人(59%)と14人(44%)だった。進行を認めた患者の割合も、対照群の7人(22%)と比較して治療群では2人(6%)と低かった。