トラスツズマブ治療歴がある転移性乳癌女性において、ラパチニブのアドヒアランスは高く、治療継続期間も長いことが、レトロスペクティブな解析で明らかになった。医薬品経済評価を行っている米国Policy Analysis社のThomas E. Delea氏らが、12月6日から10日に米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム2011で発表した。

 解析には、保険データベース「Thomson MedStat MarketScan」が用いられた。2000年1月から2010年3月までに請求を行った患者の中で、1回以上の乳癌診断の請求、もしくは1回以上の遠隔転移診断の請求、1回以上のトラスツズマブ治療の請求、1回以上のラパチニブ治療の請求を解析のための適格条件としたところ、1299人が該当した。

 さらに、すべての適格条件を満たした666人(民間保険が572人、メディケアが94人)を解析対象とした。フォローアップ期間の平均は14カ月、民間保険の患者の年齢中央値は52歳、メディケアでは72歳だった。

 タキサン系抗癌剤による治療歴がある患者は全体の73%、アントラサイクリン系抗癌剤は27%、タキサン系抗癌剤とアントラサイクリン系抗癌剤の両方の治療歴がある患者は24%だった。ラパチニブの平均用量は1161mg/日で、84%の患者では1250mg/日だった。またラパチニブの投与において、63%の患者はカペシタビンを併用しており、トラスツズマブの併用は22%、ホルモン療法の併用は8%だった。ラパチニブとの併用で、65%の患者は別の抗癌剤を1剤併用し、17%の患者は2剤、3%は3剤以上を併用していた。

 ラパチニブの請求数は平均で7.1回。アドヒアランスをMPR(総投薬量に対する実服薬量の割合)で評価したところ、MPRの平均は87%、中央値は96%だった。

 73%の患者はフォローアップ期間に投与中断はなかった。またラパチニブ投与中止までの期間中央値は7.4カ月(95%信頼区間:6.7-8.0カ月)。ラパチニブ治療継続期間(中断もしくは中止までの期間)の中央値は5.9カ月(同:5.1-6.1カ月)だった。13.5%の患者はラパチニブの減量を行っていた。

 これらの結果から、「トラスツズマブによる治療歴がある転移性乳癌女性において、実臨床でのラパチニブのアドヒアランスは比較的高い」とした。またラパチニブ投与の支援プログラムTykerb CARESにおける早期の解析と比べ、治療継続期間は長くなっているとした。