サイクリン依存性キナーゼのCDK4およびCDK6を選択的に阻害する経口剤のPD0332991は、内分泌療法で進行(PD)を認めたER陽性乳癌患者に単剤で活性を示し、忍容性は良好であることがフェーズ2試験から示された。結果は、12月6日から10日まで米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS)で、米Abramson Cancer CenterのAngela DeMichele氏が発表した。

 多くの乳癌で、細胞周期におけるG1期/S期のチェックポイントの調節異常が認められる。
 
 固形腫瘍を対象としたPD0332991のフェーズ1試験では、125mg/日で3週投与、1週休薬のスケジュールで投与され、良好な忍容性と活性が示されたため、フェーズ2試験の推奨用量となった。また前臨床試験では、ER陽性(luminal)乳癌で最も活性化することが示唆された。
 
 そこでDeMichele氏らは、乳癌を含む複数の癌腫を対象にPD0332991のフェーズ2試験を実施した。主要目的は、腫瘍タイプ別の15人のコホートにおける安全性と有効性、副次的目的は薬物動態(PK)、薬理学(PD)、予測バイオマーカーの評価だった。

 コホートへの組み入れ基準は、組織学的に確認されたIV期の乳癌で、免疫組織化学法で原発性または転移性の腫瘍に網膜芽細胞腫(Rb)タンパクを認め、RECIST基準で1個以上の測定可能な病変があり、臓器機能およびPSが保たれている患者とした。
 
 治療は28日を1サイクルとし、PD0332991を125mg/日で1〜21日目に投与した。腫瘍の評価は8週毎に行った。
 
 スクリーニングを行った54人中、48人(96%)がRb陽性で、このうち17人が登録された。17人中ではホルモン受容体陽性かつHER2陰性の患者が11人(65%)で最も多く、次いでホルモン受容体陽性かつHER2陽性の患者の4人(24%)だった。
 
 治療継続中の患者は5人で、12人が治療を中止した。このうち11人は疾患の進行が原因だった。治療サイクルでは2サイクル終了した患者が4人で最も多かったが、最長で17サイクル終了した患者もいた。
 
 報告されたグレード3以上の毒性は骨髄抑制による事象のみで、好中球減少10人、白血球減少10人、血小板減少5人、リンパ球減少8人だった。非毒性ではグレード2の疲労感が2人に発現し、1人は治療の中止を選択した。その他は全てグレード1だった。
 
 今日までに評価可能だった15人の効果(部分奏効+安定状態)は40%となり、ホルモン受容体陽性、HER2陽性、またはどちらも陽性の患者で部分奏効または安定状態となる傾向がみられた。トリプルネガティブの患者は全員進行した。
 
 DeMichele氏によると、進行のツールとしてPKおよび3'-deoxy-3'[-18F]fluorothymidine-PET(FLT-PET)の評価、バイオマーカーとしてサイクリンD1の増幅などの評価が進行中であるという。また今回の結果により、コホートを25人に拡大し、活性を明らかにして奏効の予測因子を検討するトランスレーショナルスタディが決定している。