閉経後早期乳癌において、ビスホスホネート製剤のゾレドロン酸を術後ホルモン療法に加えることにより、アロマターゼ阻害剤による骨塩量低下を防ぐだけでなく、乳癌の再発リスクを低下させることがZO-FAST試験の5年間フォローアップで明らかになった。オーストラリアRoyal Melbourne HospitalのRichard de Boer氏らが、サンアントニオ乳癌シンポジウム2011で発表した。

 ZO-FAST試験は、ホルモン受容体陽性ステージ1-3a乳癌で、骨塩量の指標Tスコアが−2以上の閉経後患者を対象に、レトロゾール投与開始時からゾレドロン酸を併用投与する群(IMZOL群)と、Tスコアが−2未満もしくは臨床的骨折、36カ月時点での無症候性骨折が認められた場合にゾレドロン酸を併用する群(DZOL群)に無作為に割り付けた。ゾレドロン酸は6カ月おきに4mgが投与され、治療期間は5年間。試験には1065人が登録し、IMZOL群は532人、DZOL群は533人となった。

 この結果、12カ月、24カ月、36カ月、48カ月、さらに60カ月(5年)時点でも、腰椎および股関節の骨塩量はDZOL群では低下したが、IMZOL群では増加し、IMZOL群で骨塩量減少は有意に抑制されることが確認された。またIMZOL群とDZOL群における骨塩量変化量の差は12カ月時点よりも60カ月時点では大きく、経時的に増加していた。

 またITT集団における5年無病生存(DFS)率は、IMZOL群が91.9%、DZOL群が88.3%であり、DZOL群に対するIMZOL群のDFSハザード比が0.66、p=0.0375と、IMZOL群ではDFSが34%改善されることが示された。

 このゾレドロン酸によるDFSへの効果は、ZO-FAST試験と同様に、ゾレドロン酸追加による再発抑制効果を検討したABCSG-12試験、AZURE試験の結果と一致していた。

 一方、全生存(OS)は、ITT集団でDZOL群に対するIMZOL群のハザード比が0.69、p=0.196で、2群間に有意な違いはなかった。

 次に層別解析として、試験登録前に自然に閉経状態になった女性(888人)と化学療法もしくは卵巣機能抑制剤によって閉経状態になった女性(177人)に分けたところ、IMZOL群のDFSハザード比は前者では0.71、p=0.0998、後者ではハザード比は0.34、p=0.0942と、いずれも有意な差がなかった。全生存でも有意な違いはなかった。

 また探索的データ解析で、DZOL群において、DFSに関する予後因子はゾレドロン酸投与であることが示された(p=0.033)。

 5年間の治療で、顎骨壊死は3人で報告された。ゾレドロン酸投与によって腎臓に対する新たな有害事象はなかった。