閉経後ホルモン受容体陽性転移性乳癌に対して、アロマターゼ阻害剤であるアナストロゾールと抗エストロゲン剤のフルベストラントをファーストラインとして併用投与したところ、アナストロゾール単独群に比べて、無増悪生存期間(PFS)を有意に、全生存期間(OS)も延長できることが明らかとなった。またタモキシフェン治療を受けていない患者ではさらに併用の有効性が高いことが分かった。フェーズ3無作為化試験SWAOG S0226の結果、示されたもの。成果は12月6日から10日に米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS)で、University of California at IrvineのRita S Mehta氏によって発表された。

 フルベストラントは、エストロゲン受容体への結合活性がタモキシフェンよりも高く、アゴニスト活性を持たず、エストロゲン受容体のダウンレギュレーションによってエストロゲン拮抗作用を発現する。

 フェーズ3試験は707人の患者を、毎日経口でアナストロゾール1mgを投与される群(単独群)と毎日経口でアナストロゾール1mgの投与に加えて500mgのフルベストラントを0日目に投与、14日目、28日目に250mg、その後は維持療法として月1回250mg投与される群(併用群)に分けて行われた。単独群で増悪した患者で即時の化学療法移行の候補ではなかった患者は、クロスオーバーされフルベストラントが追加投与された。主要評価項目はPFSだった。

 試験の結果、694人の適格患者(単独群345人、併用群349人)で、単剤群の345人中143人(41%)がクロスオーバーされた。単独群のPFS中央値は13.5カ月(95%信頼区間:12.1-15.1)、併用群は15.0カ月(95%信頼区間:13.2-18.4)でハザード比が0.80(95%信頼区間:0.68-0.94)、p=0.0070で有意に併用群が延長していた。

 サブセット解析の結果、タモキシフェンの投薬を受けたことのない患者414人では、単独群のPFS中央値は12.6カ月(95%信頼区間:11.2-15.6)、併用群は17.0カ月(95%信頼区間:13.8-19.9)、ハザード比が0.74(95%信頼区間:0.59-0.92)で、p=0.0055とより有意に併用群が延長していた。タモキシフェンの投与経験のある280人の患者では、単独群のPFS中央値は14.1カ月(95%信頼区間:12.0-16.8)、併用群は13.5カ月(95%信頼区間:11.0-19.3)でハザード比が0.89(95%信頼区間:0.69-1.15)、p=0.37で差はなかった。

 OS中央値は単独群が41.3カ月(95%信頼区間:37.2-45.0)、併用群は47.7カ月(95%信頼区間:43.4-55.7)でハザード比が0.81(95%信頼区間:0.65-1.00)、p=0.049で併用群が延長した。タモキシフェンの投薬を受けたことのない患者では、単独群のOS中央値は39.7カ月(95%信頼区間:33.1-43.9)、併用群は47.7カ月(95%信頼区間:43.4-58.3)、ハザード比が0.74(95%信頼区間:0.56-0.98)でp=0.0362と有意に併用群が延長していた。タモキシフェンの投与経験のある患者では、単独群のOS中央値は44.5カ月(95%信頼区間:38.0-54.8)、併用群は49.6カ月(95%信頼区間:37.9-71.2)、ハザード比が0.91(95%信頼区間:0.65-1.28)、p=0.59で差はなかった。

 併用群で3件の治療関連死が認められ、肺塞栓が2件、脳血管虚血が1件だった。併用群ではグレード4の血栓症/塞栓症が1件、グレード4の好中球減少症、リンパ球減少症が1件起きた。単独群では4人がグレード4の毒性(血栓症/塞栓症、関節痛、血小板減少症、呼吸困難)を起こした。グレード3の副作用は単独群11%、併用群13%で多くはなく、両群で有意な差はなかった。