局所再発もしくは転移性乳癌に対し、エリブリンは全生存期間(OS)を延長することが無作為化フェーズ3のEMBRACE試験で報告されている。同試験のサブ解析で、アントラサイクリン系抗癌剤やタキサン系抗癌剤などによる前治療数が少ないほうが、よりOSへの効果が高いことが明らかになった。米Baylor-Sammons Cancer CenterのJL. Blum氏らが、12月8日から12日に開催されたサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS)で発表した。

 EMBRACE試験は、アントラサイクリン系抗癌剤とタキサン系抗癌剤を含め、2種類以上の化学療法による前治療歴がある、局所再発もしくは転移性の乳癌患者762人を対象とした。エリブリンを投与する群と治験医師が選択した治療を行う群(対照群)に患者を2:1の割合で無作為に割り付けた。

 エリブリン(1.4mg/m2)は3週間おきに第1日、8日に投与した。対照群では、医師の判断で単剤治療(化学療法、ホルモン療法、生物学的製剤)、あるいは緩和治療、放射線療法が行われた。

 患者の年齢中央値は55歳、白人が92%を占め、閉経後女性が76%だった。前治療数は2レジメンが12.6%、3レジメンが34%、4レジメンが32.2%、5レジメンが17.8%、6レジメン以上が2.9%で、3レジメン以下の患者がエリブリン群では47.6%、対照群では44.9%であった。

 タキサン系抗癌剤による前治療が不応だった(治療開始から6カ月以内での増悪)患者は80.6%、アントラサイクリン系抗癌剤では67.7%、カペシタビンでは57.7%だった。

 これまでに、エリブリンは対照群に比べて、主要評価項目であるOSが有意に延長することが報告されている(p=0.041、ハザード比は0.809)。エリブリン群のOS中央値は13.12カ月、対照群は10.65カ月だった。

 化学療法による前治療数でサブ解析を行った結果、前治療数が3レジメン以下の患者では、エリブリン群(362人)のOS中央値は13.3カ月、それに対して、対照群(162人)は10.7カ月で、その差は2.6カ月となり、エリブリンのほうが有意にOSは長かった(p=0.039)。

 一方、前治療が4レジメン以上の患者では、エリブリン群(106人)は11.7カ月、対照群(51人)では10.0カ月で、2群の差は1.7カ月であり (p=0.607)、前治療数が少ないほどOSに対するエリブリンの有効性は高いことが示された。