転移性乳癌を対象にポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ-1(PARP1)阻害剤であるiniparibBSI-201)とイリノテカンの併用が有効である可能性が明らかとなった。フェーズ1b試験で、忍容性が確認され抗腫瘍効果も見られたため。成果は12月8日から12日に開催されたサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS)で、米The University of Texas MD Anderson Cancer CenterのMoulder S氏によって発表された。

 フェーズ1b試験は、iniparibの量を固定し、イリノテカンの量を80mg/m2から125mg/m2に増加させて行った(80mg/m2群3人、100mg/m2群6人、125mg/m2群25人)。iniparibは21日を1サイクルとして、8mg/kgを1日目、4日目、8日目、11日目に投与した。イリノテカンは21日を1サイクルとして1日目と8日目に投与された。主要評価項目は安全性と奏効率だった。

 フェーズ1b試験には34人の患者が参加し、年齢中央値は50歳(32-84)、前治療レジメン数中央値は2(0-6)。予備的な解析で22人(64.7%)がトリプルネガティブの患者で、10人(29.4%)がプロゲステロン受容体陽性・HER2陰性、1人(2.9%)がHER2陽性患者だった。

 抗腫瘍効果は、完全奏効(CR)が1人(120mg/m2群)、部分奏効(PR)が7人(120mg/m2群6人、100mg/m2群1人)、6サイクル以上の病勢安定(SD)が4人(120mg/m2群が3人、80mg/m2群が1人)で認められた。120mg/m2群に限定すると奏効率は31.8%、臨床利益率(CR、PR、6サイクル以上のSD)は45.5%だった。

 用量制限毒性はグレード3の少量の胃腸管出血を伴う下痢が1件認められただけで、最大耐量はiniparib 8mg/kg、イリノテカン 125mg/m2となった。その他の副作用は好中球減少症、貧血、下痢などだった。