リンパ節浸潤がある非転移性乳癌をFEC(フルオロウラシル、エピルビシン、シクロホスファミド)にパクリタキセル(タキソール:T)を追加するレジメン(FEC-T)で治療しても、生存はFECと変わらない結果が示された。フェーズ3試験のTrial B2000で明らかになったもので、12月8日から12日まで米国サンアントニオで開催されたサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS)で、フランスHopital Louis MourieのC. Delbaldo氏が発表した。

 リンパ節転移陽性乳癌に最適なアジュバント療法については議論が続いており、毒性が強いタキサンで最もベネフィットが得られる患者を同定する試みが行われている。

 Delbaldo氏らは、リンパ節浸潤がある非転移性乳癌患者を対象とするTrial B2000を行い、FECとFEC-Tの無病生存率(DFS)、全生存率(OS)を比較した。

 FECのレジメンでは、フルオロウラシル500mg/m2、エピルビシン100mg/m2、シクロホスファミド500mg/m2の3週毎の投与を6サイクル施行した(FEC群)。FEC-Tのレジメンでは、FECの3週毎の投与を4サイクル施行した後、パクリタキセル175mg/m2の3週毎の投与を4サイクル行った(FEC-T群)。

 さらにホルモン受容体陽性の患者には、閉経の状態によりタモキシフェンまたはアロマターゼ阻害剤を5年間投与した。

 2000年3月10日から2002年12月31日までに837人が登録され、FEC群に417人、FEC-T群に420人を無作為に割り付けた。年齢中央値は両群とも52歳、リンパ節転移の数の平均は、FEC群4.5個、FEC-T群4.4個だった。FEC群とFEC-T群で、エストロゲン受容体陽性の患者は71%と75%、プロゲステロン受容体陽性の患者は60%と65%だった。

 DFSのハザード比(HR)は0.986(95%CI:0.773-1.257、p=0.91)となった。5年DFSは、FEC群78.5%、FEC-T群78.4%、9年DFSは、62.9%と62.5%だった。

 OSのHRは0.848(95%CI:0.622-1.155、p=0.29)となった。5年OSは、FEC群86.1%、FEC-T群88.6%、9年OSは73.9%と77%だった。

 グレード3以上の毒性の発現率は両群で差がなかった。FEC群で多く発現したのは、好中球減少、感染、嘔気で、FEC-T群で多く発現したのは神経毒性、筋肉痛、関節痛、疼痛、過敏症だった。心毒性、有熱性の好中球減少の発現は両群で有意差はなかった。

 Delbaldo氏は「リンパ節浸潤がある非転移性乳癌患者では、DFSとOSに関しては、アントラサイクリンベースのレジメンにタキソールを追加する利点はない。この試験のフォローアップは9年間で、結論するのに十分な期間と考えられる」と話した。