HER2陰性早期または局所進行乳癌の術前補助療法として、化学療法に加えてベバシズマブを投与しても、有意な病理学的完全寛解(pCR)率の上昇は認められないことが明らかとなった。HER2陽性および陰性乳癌患者の術前補助療法の効果を検討するフェーズ3試験であるGeparQuinto試験で示されたもの。成果は12月9日から12日に米国サンアントニオで開催されたサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS)で、German Breast Groupを代表してvon Minkwitz G氏によって発表された。

 GeparQuinto試験のHER2陰性乳癌を対象にした試験は、3週を1サイクルとしてエピルビシン(E)90mg/m2とシクロホスファミド(C)600mg/m2を4サイクル投与し、ドセタキセル100mg/m2を4サイクル投与する化学療法のみの群(化学療法群)と、化学療法に加えてベバシズマブを15mg/kg投与する群(ベバシズマブ群)に分けて行われた。ECを4サイクル行った時点で超音波で検査を行い、抗腫瘍効果が認められない場合は、別の治療を受けることとされた。

 化学療法群には974人が登録され、968人が実際に投薬を受けた。ベバシズマブ群にも974人が登録され959人が実際に投薬を受けた。ECまたはEC+ベバシズマブ4サイクルで奏効が認められなかったのは、化学療法群で24.2%、ベバシズマブ群で16.9%だった。

 試験の結果、pCR率は化学療法群が15.0%、ベバシズマブ群が17.5%と、有意な差はなかった。乳房温存手術ができた割合も化学療法群が66.6%、65.8%で差はなかった。ホルモン受容体の状態、進行度で分けて解析すると、エストロゲン受容体陰性/プロゲステロン受容体陰性のいわゆるトリプル乳癌でのみベバシズマブの効果が期待できる結果だった。