早期のHER2陽性乳癌に術前療法として、ペルツズマブトラスツズマブドセタキセルを投与することは、トラスツズマブとドセタキセルを投与する場合に比べて、病理学的完全奏効(pCR)率を大きく高めることが明らかとなった。フェーズ2試験 NeoSphereの結果示されたもの。成果は12月9日から12日に米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS)で、イタリアInstituto Nazionale TumoriのGianni L氏によって発表された。

 NeoSphere試験は、化学療法未施行の手術可能もしくは局所進行/炎症性HER2陽性乳癌患者(腫瘍サイズが2cm超)417人を、術前療法としてドセタキセル、トラスツズマブを投与する群(TH群、107人)、ドセタキセル、トラスツズマブ、ペルツズマブを投与する群(THP群、107人)、トラスツズマブ、ペルツズマブを投与する群(HP群、107人)、ドセタキセルとペルツズマブを投与する群(TP群、96人)に分けて行われた。術前療法は3週おきに4回行い、手術を実施した。患者の半数強がホルモン受容体陰性だった。主要評価項目はTH群とTHP群、TH群とHP群、THP群とTP群の間でのpCR率の比較だった。

 試験の結果、pCR率はTH群が29.0%、THP群が45.8%、HP群が16.8%、TP群が24.0%となった。TH群とTHP群の比較ではp=0.0141、TH群とHP群の比較ではp=0.0198、THP群とTP群の比較ではp=0.003と、いずれの場合も有意にTHP群が優れていた。

 ホルモン受容体の状態で分けると、TH群はホルモン受容体陽性群のpCR率は20.0%、陰性群は36.8%、THP群では陽性群が26.0%、陰性群が63.2%、HP群では陽性群が5.9%、陰性群が29.1%、TP群は陽性群が17.4%、陰性群が30.0%と、いずれもホルモン受容体陰性群でpCR率が高かった。

 手術時にpCRでリンパ節も陰性だった患者は、TH群で21.5%、THP群で39.3%、HP群で11.2%、TP群で17.7%だった。手術時にpCRでリンパ節は陽性だった患者は、TH群で7.5%、THP群で6.5%、HP群で5.6%、TP群で6.3%だった。

 抗腫瘍効果は、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、病勢安定(SD)の合計で、TH群が100%、THP群が99.1%、HP群が92.5%、TP群が97.9%だった。

 一方、グレード3以上の副作用は、好中球減少症(TH群が57.0%、THP群が44.9%、HP群が0.9%、TP群が55.3%)、白血球減少症(TH群が12.1%、THP群が4.7%、HP群が0.0%、TP群が7.4%)、発熱性好中球減少症(TH群が7.5%、THP群が8.4%、HP群が0.0%、TP群が7.4%)と、トラスツズマブを含む群で多かった。1件以上の重篤な副作用を起こした患者はTH群が18人(16.8%)、THP群が11人(10.3%)、HP群が4人(3.7%)、TP群が16人(17.0%)だった。ペルツズマブを加えても循環器リスクの上昇は見られなかった。