HER2陰性の進行乳癌を対象とする多施設共同の無作為化フェーズ2b試験、SOLTI-0701試験では、副次的評価項目の全生存率(OS)について、ソラフェニブカペシタビンの併用はプラセボとカペシタビンの併用に有意差を示すことができなかった。サブグループ解析では、ファーストライン治療でソラフェニブとカペシタビンを併用するとOSに改善傾向が認められる結果が示された。12月8日から12日まで米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2010)で、スペインVall d’Hebron University HospitalのPatricia Gomez氏が発表した。

 進行乳癌に対するソラフェニブの有用性を評価する国際的なフェーズ2b試験4件が、HER2陰性乳癌を対象とするTrials to Investigate the Effects of Sorafenib in breast canscer(TIES)プログラムの一環として開始された。これらの試験は、一般的なレジメンとの併用でソラフェニブの有効性と安全性を評価し、フェーズ3試験に向けた検討を行うようデザインされている。

 その一つであるSOLTI-0701試験では、ソラフェニブ+カペシタビンはプラセボ+カペシタビンとの比較で主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)が6.4カ月と4.1カ月となり、前者で有意に延長したことが報告されている。今回Gomez氏らは、副次的評価項目の全生存期間(OS)と最新の安全性に関する結果を報告した。

 対象は、2007年8月から2009年12月に本試験で無作為化が行われた局所進行性または転移性のHER2陰性乳癌患者129人。ソラフェニブ+カペシタビン群には115人(平均年齢55.1歳)、プラセボ+カペシタビン群には114人(同55.4歳)が割り付けられた。

 両群の患者背景はほぼ同様で、ステージIVの患者の割合は90%と91%、内臓転移がある患者は76%と74%であった。エストロゲン受容体(ER)またはプロゲステロン受容体(PR)のいずれか、または両方が陽性の患者は77%と68%、転移に対して行われた前治療で化学療法を受けた患者は57%と45%だった。

 ソラフェニブ400mgは1日2回投与し、カペシタビン1000mg/m2は1日2回の投与を14日間継続し、その後7日間休薬する21日を1サイクルとした。

 OS解析時にソラフェニブ+カペシタビン群で60人、プラセボ+カペシタビン群で65人が死亡していた。このうち治療開始から30日以内の死亡は、7人と5人であった。

 OSの中央値は、ソラフェニブ+カペシタビン群22.2カ月、プラセボ+カペシタビン群20.9カ月で、有意差はみられなかった(片側検定 p=0.21)が、死亡のリスクは14%減少した(HR 0.86、95%CI:0.61-1.23)。

 OSのサブグループ解析は、年齢、ホルモン受容体の状態、内臓転移、治療ライン、測定可能病変、タキサン系薬剤またはアントラサイクリンの治療歴について行われたが、やはり有意差はみられなかった。

 ただし、ファーストライン治療では、ソラフェニブ+カペシタビン群22.8カ月、プラセボ+カペシタビン群18.3カ月となり、前者で改善傾向が認められた(HR 0.67、95%CI:0.40-1.11、片側検定 p=0.057)。これに対しセカンドライン治療では、HR 1.08(95%CI:0.65-1.78、片側検定 p=0.39)となり、改善傾向は認められなかった。

 カペシタビンにソラフェニブを加えることによる有害事象はグレード2以下のものが多かったが、ソラフェニブまたはカペシタビンの投与に伴うグレード3以上の手足症候群の発現は、ソラフェニブ+カペシタビン群44%、プラセボ+カペシタビン群14%となった。

 有害事象による治療中止は、ソラフェニブ+カペシタビン群20%、プラセボ+カペシタビン群9%で、手足症候群による中止は9人と4人であった。