肥満は乳癌患者の再発リスクを高め、生存率に悪い影響を与えるといわれている。しかしアロマターゼ阻害剤のエキセメスタンタモキシフェンによる術後ホルモン療法を受けた乳癌患者において、肥満女性の無病生存率は標準体重の人と変わらないことがフェーズ3試験であるTEAM試験の解析で明らかになった。オランダErasmus Medical Center Daniel den Hoed Cancer CenterのC. Seynaeve氏らが、12月8日から12日に開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウムで発表した。

 TEAM(tamoxifen exemestane adjuvant multinational)試験は、閉経後でホルモン感受性早期乳癌患者を対象に、術後補助療法として、アロマターゼ阻害剤であるエキセメスタンとタモキシフェンを比較した無作為化オープンラベル国際共同試験。当初5年間タモキシフェンを毎日投与する群と5年間エキセメスタンを毎日投与する群を比較する予定だった。しかしIES試験でタモキシフェンからエキセメスタンへの切り替えで無病生存率が改善することが明らかになったため、TEAM試験のタモキシフェン群はすべて無作為化後2.5年から3年の時点でエキセメスタンに切り替えられた。

 今回の解析では体重と身長が分かった6304人を対象とした。このうち標準体重(BMIが18.5kg/m2以上25kg/m2未満)は36.1%、過体重(25mg/m2以上30kg/m2未満)は37.8%、肥満(30kg/m2以上)は24.6%だった。なお低体重(BMI<18.5kg/m2)は1.5%だったが解析から除外した。

 フォローアップ期間2.75年の時点で、エキセメスタン群の無病生存率は91.5%、タモキシフェン群(タモキシフェン→エキセメスタン)は90.2%で、ハザード比は0.87(95%信頼区間:0.74-1.03)、p=0.11と有意な違いはなかった。またフォローアップ期間5年でも、エキセメスタン群とタモキシフェン群の無病生存率に有意差はなかった。

 次にBMIで分けたところ、2.75年の時点で、標準体重群の無病生存率は90.7%、過体重群は91.4%、肥満群は90.0%と違いはなく、フォローアップ期間5年でも無病生存率に有意差はなかった。

 タモキシフェン群に対するエキセメスタン群の無病生存率のハザード比は、2.75年の時点で、標準体重群は0.99(95%信頼区間:0.74-1.31)、過体重群は0.84(0.62-1.14)、肥満群は0.74 (0.52-1.05)で有意な違いがなかった。5年の時点では、ハザード比が標準体重群は0.93(95%信頼区間:0.76-1.13)、過体重群は0.93(0.76-1.13)、肥満群は0.94 (0.73-1.22)だった。

 この解析にあたり研究グループは、過体重や肥満の人では脂肪組織などで多くのエストロゲンが産生されるため、それがホルモン療法に影響を与えるとの仮説を立てていた。しかし、TEAM試験の患者では、標準体重群に比べて過体重群や肥満群で臨床結果が悪くなることはなかった。