アロマターゼ阻害剤(AI)抵抗性で、転移性ホルモン受容体陽性HER2陰性乳癌患者にタモキシフェンとmTOR阻害剤のエベロリムスを併用投与すると、タモキシフェンのみを投与する場合に比べて、増悪までの時間(TTP)を約2倍にできることが明らかとなった。フランスGroupe d'Investigateurs Nationaux pour l'Etude des Cancer Ovariens et du sein(French GINECO Group)が実施したフェーズ2試験 TAMRADの結果、示されたもの。成果は12月9日から12日に米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS)で、フランスCenter Leon BerardのBachelot T氏によって発表された。

 TAMRAD試験はAIによる治療を受けたことのある転移性ホルモン受容体陽性HER2陰性乳癌患者を対象に実施された。最初からAIに抵抗性だった患者と2次的に抵抗性になった患者が含まれていた。フェーズ2試験は1日あたり20mgのタモキシフェンのみを投与する群と、1日あたり20mgのタモキシフェンと10mgのエベロリムスを投与する群に分けて行われた。クロスオーバーは予定されていなかった。主要評価項目は6カ月時点の臨床的利益率(CBR:完全奏効、部分奏効、6カ月時点で病勢安定)で、副次評価項目はTTP、全生存期間(OS)、安全性などだった。

 111人の患者が2008年3月から2009年5月までに登録され、2010年10月に最終解析が行われた。タモキシフェンのみ群には57人、タモキシフェン+エベロリムス群には54人が登録され、観察期間中央値はタモキシフェンのみ群が22.6カ月、タモキシフェン+エベロリムス群が22.3カ月だった。両群とも最初からAIに抵抗性だった患者が49.1%、2次的に抵抗性になった患者が50.9%だった。

 試験の結果、CBRはタモキシフェン+エベロリムス群が61.1%、タモキシフェンのみ群が42.1%となり、p=0.045で有意にタモキシフェン+エベロリムス群の方が良かった。TTP中央値はタモキシフェン+エベロリムス群が8.6カ月、タモキシフェンのみ群が4.5カ月で、ハザード比は0.53(95%信頼区間:0.35-0.81)、p=0.0026でタモキシフェン+エベロリムス群が有意に優れていた。OSもハザード比0.32(95%信頼区間:0.15-0.68)、p=0.0019でタモキシフェン+エベロリムス群が有意に優れていた。

 最初からAIに抵抗性だった患者では、TTP中央値はタモキシフェン+エベロリムス群が5.4カ月、タモキシフェンのみ群が3.9カ月で、ハザード比は0.74(95%信頼区間:0.42-1.3)でタモキシフェン+エベロリムス群が優れていたが差は有意ではなかった。2次的に抵抗性になった患者では、TTP中央値はタモキシフェン+エベロリムス群が17.4カ月、タモキシフェンのみ群が5.0カ月で、ハザード比は0.38(95%信頼区間:0.21-0.71)でタモキシフェン+エベロリムス群が有意に優れていた。

 副作用(全グレード)は、倦怠感、口内炎、皮疹、食欲不振、下痢が、タモキシフェンのみ群に比べてタモキシフェン+エベロリムス群で多かった。