シメチジンCOX2阻害薬、アンジオテンシンII Type1受容体(AT1R)拮抗薬の3剤併用療法(CCA療法)は、ドセタキセル既治療例を含む去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)に対し、PSA低下およびPSA倍加時間(PSA DT)延長作用を示し、低コストで安全性が高い治療選択肢となりうることが示された。4月25日から28日まで札幌市で開催された第101回日本泌尿器科学会総会で、東京医科歯科大学大学院腎泌尿器外科の木島敏樹氏が発表した。

 abiraterone acetateやenzalutamideなど、CRPC患者の生存期間延長をもたらす複数の新規治療薬が開発されている。しかし、これらの薬の奏効期間は半年程度にとどまり、有害事象やコストの高さも課題となっている。

 シメチジン、COX2阻害薬、AT1R拮抗薬はいずれも、前立腺癌を含む多くの癌腫に対し、直接的抗腫瘍効果と血管新生阻害効果を有することが報告されている。同科では、これら3剤の併用療法(CCA療法)が転移性腎癌に対し、高い有効性と安全性を示したことを報告している。CCA療法はコストも低い。

 そこで木島氏らは、CCA療法のCRPC患者における治療効果および安全性を検討した。

 対象は、CRPC患者27人(年齢中央値77歳)。CCA療法開始前のPSA中央値は15.2ng/mL、PSA DTの中央値は3.3カ月だった。Gleasonスコアが8点以上の患者は18人(67%)だった。前治療として、抗アンドロゲン剤が19人(70%)、女性ホルモン製剤が12人(44%)、グルココルチコイド製剤が2人(7%)、ドセタキセルが9人(33%)に投与されていた。

 患者には去勢療法を継続したうえで、CCA療法として、シメチジン(400-800mg)、メロキシカム(10mg)、カンデサルタン(4-8mg)の3剤を連日経口投与した。主要評価項目は有効率(PSA低下+PSA DT延長)、副次的評価項目はPSA低下率・PSA低下期間、PSA DT延長、安全性だった。

 PSA低下は13人、PSA低下はなくてもPSA DTの延長は5人で認められ、有効率は67%となった。

 PSA低下を認めた13人中、4人(15%)で30%以上のPSA低下を認めた。PSA低下を認めた13人のPSA低下期間の中央値は5.1カ月(範囲:1.8-12.0)だった。

 PSA低下と前治療の関連は認めなかった。ドセタキセルによる前治療を有する9人中、4人(44%)でPSA低下を認め、有さない18人では9人(50%)だった。CCA療法の効果は、ドセタキセルに抵抗性となった患者でも期待できる可能性が示された。

 PSA低下を認めなかった14人中、5人でPSA DTが延長した。5人中2人はドセタキセルに抵抗性となった患者だった。

 グレード3以上の有害事象は発現しなかった。ただし、2人(7%)にグレード2の腎機能障害が発現し、それぞれ2カ月後と11カ月後にCCA療法を中止した。

 木島氏は「CCA療法は安全性が高い治療と考えられるが、腎機能には注意が必要」と話した。