MVAC療法(メトトレキサート、ドキソルビシン、ビンブラスチン、シスプラチン)抵抗性進行尿路上皮癌に対するゲムシタビン/カルボプラチン併用療法は、骨髄抑制は比較的高頻度に発現するものの、その他の有害事象は軽微であり、有用な選択肢の1つと考えられることが示された。4月25日から28日まで札幌市で開催された第101回日本泌尿器科学会総会で、神戸大学大学院腎泌尿器科学分野の古川順也氏が発表した。

 同院では、MVAC療法抵抗性進行尿路上皮癌に対し、2005年4月よりゲムシタビン/カルボプラチン併用療法を施行している。古川氏らは、ゲムシタビン/カルボプラチン併用療法の制癌効果、有害事象、各種臨床病理学的因子が制癌効果に及ぼす影響などを検討した。

 対象は、2005年4月から2012年8月までにMVAC療法抵抗性と診断された尿路上皮癌に対し、ゲムシタビン/カルボプラチン併用療法を施行した64人(男性46人、年齢中央値67歳)。原発巣は膀胱が32人、上部尿路が31人、尿道が1人で、原発巣の手術は40人が受けていた。転移臓器数は1個が36人で最も多く、2個が16人でこれに次いだ。転移臓器はリンパ節転移が38人で最も多く、次が肺転移の20人だった。

 投与方法として、1日目と8日目にゲムシタビン1000mg/m2、1日目にカルボプラチン(AUC=5)をそれぞれ点滴静注し、原則として3-4週間毎に投与した。

 施行サイクルの平均は5.8サイクル(範囲:1-30)、観察期間の平均は13.8カ月だった。制癌効果をみると、部分奏効(PR)が10人(15.6%)、安定状態(SD)が40人(62.5%)となった。奏効期間の中央値は11カ月だった。

 無増悪生存期間(PFS)の中央値は6.9カ月で、6カ月と12カ月の無増悪生存率はそれぞれ51.6%と26.1%となった。癌特異的生存期間の中央値は13.7カ月で、6カ月、12カ月、24カ月の癌特異的生存率はそれぞれ79.4%、52.9%、20.9%となった。

 古川氏は「セカンドライン治療であることを考慮すると、これらの抗腫瘍効果と転帰は比較的満足すべきものと考えられる」と考察した。

 癌特異的生存率についての多変量解析では、ゲムシタビン/カルボプラチンの施行サイクル数(1-4サイクル vs 5サイクル以上)のみが独立した予後予測因子として抽出された(ハザード比3.38、p=0.036)。

 グレード3以上の有害事象は、白血球減少が43人(67.2%)、貧血が36人(56.2%)、血小板減少が56人(87.5%)と高頻度に発現したが、輸血を要した症例はなかった。重篤な非血液学的毒性の発現は稀だった。

 古川氏は、「長期間投与できた症例には、肺転移のみ、リンパ節転移のみの症例が含まれており、特に単一臓器に転移を有する症例にこの併用療法を長期間施行することで予後の改善が期待される可能性が示唆された」と話した。