転移性腎細胞癌に対するアキシチニブ投与の無増悪生存期間は28.7カ月で、1次、2次治療で用いた場合、3次治療以降で用いる場合に比べて有意に治療成功期間(TTF)が良好であることが示された。4月25日から札幌市で開催された第101回日本泌尿器科学会総会で、千葉県がんセンター泌尿器科の深沢賢氏が発表した。

 2012年8月から転移性腎細胞癌に対し、アキシチニブが使用可能となった。深沢氏らは、同センターで2009年11月から2012年10月の間にアキシチニブ投与を開始した転移性腎細胞癌患者21例を対象に、治療効果について検討した。なお、21例のうち、9例については、フェーズ2試験として1次治療での投与症例だった。

 21例の患者背景は年齢60歳(37-77歳)、男性76.2%、全例が腎摘除術施行例で、淡明細胞癌が90.5%、MSKCCリスク分類でFavorableリスクが19%、Intermediateリスクが57.1%、Poorリスクは23.8%だった。転移臓器数が1臓器だったのは42.9%、2臓器が33.3%、3臓器以上は23.8%だった。アキシチニブが1次治療だったのは42.9%(9例)で、2次治療だったのは28.6%(6例)、3次治療以降だったのが28.6%(6例)だった。なお、3次治療以降だった6例のうち、3次治療だったのが1例、4次治療だったのが3例、8次治療、9次治療と治療を重ねていた症例がそれぞれ1例ずつだった。

 観察期間中央値25.8カ月(範囲2.3-36.6カ月)における最大治療効果は、部分奏効(PR)が12例(57%)、病勢安定(SD)が8例(38%)、有害事象による中止が1例(5%)だった。

 血液毒性で最も頻度が高かったのは蛋白尿(16例)で、うちグレード3が4例(19%)に認められた。また、TSH増加(グレード1、2で計12例)、ALT増加(11例、うちグレード3が1例)、リパーゼ増加(7例、うち無症候性だがグレード4が1例)などが見られた。一方、血小板減少、Hb減少、白血球減少は少なかった。

 非血液学毒性では高血圧が多く16例に認められ、うちグレード3が14例(67%)に認められた。また、手足皮膚反応(11例、うちグレード3が5例)、疲労、胃炎、などが見られた。

 全21例の無増悪生存期間中央値は28.7カ月、治療成功期間中央値は30.5カ月だった。

 治療ライン別に患者背景を検討した結果、1次治療グループ(9例)、2次治療グループ(6例)、3次治療以降グループ(6例)の間で有意な差が認められたのは、MSKCCリスク分類、転移臓器数で、MSKCCリスク分類では、1次治療グループがFavorableリスクが44%、Intermediateリスクが56%だったのに対し、2次治療グループではIntermediateリスクが67%、Poorリスクが33%、3次治療以降グループではIntermediateリスクが50%、Poorリスクが50%と、2次治療以降にアキシチニブを投与されている患者はIntermediateリスク、Poorリスクが多かった。また、転移臓器数では、1次治療グループでは1臓器、2臓器、3臓器以上がそれぞれ56%、33%、11%だったのに対し、2次治療グループではそれぞれ67%、17%、17%、3次治療以降グループではそれぞれ0%、50%、50%だった。

 治療ライン別の無増悪生存期間を比較した結果、1次治療グループは中央値に到達せず、2次治療グループは中央値が28.7カ月、3次治療以降グループでは5.3カ月だった。ただし、グループ間で統計学的有意差は認められなかった。

 治療成功期間を比較した結果、1次治療グループは中央値30.7カ月、2次治療グループは28.4カ月、3次治療以降グループは4.5カ月で、1次治療と3次治療以降、2次治療と3次治療以降のグループの間に統計学的な有意差が認められた。

 これらの結果から深沢氏は、「アキシチニブ投与例のPFS中央値は28.7カ月と良好で、1次治療グループと2次治療グループはいずれも3次治療以降グループと比べて治療成功期間が有意に良好で、転移性腎細胞癌に対する逐次治療におけるアキシチニブ使用は早い段階での使用が望ましいと考えられる」と語った。