転移性腎細胞癌に対するファーストライン治療としてのスニチニブ治療およびサイトカイン治療不応例に対するスニチニブ治療は、MSKCCリスク分類Favorableまたはintermediateかつ淡明細胞癌であるとより高い治療効果が期待できることが示された。4月25日から札幌市で開催された第101回日本泌尿器科学会総会で、東京女子医科大学泌尿器科の剣木崇文氏が発表した。

 対象は2008年10月から2012年9月までに、同院でファーストライン治療としてスニチニブ投与、もしくはサイトカイン治療不応例に対してスニチニブ投与を行った転移性腎細胞癌患者53例。

 対象者の年齢中央値は65歳、男性36例、ファーストライン治療として投与したのは46例、サイトカイン治療不応例は7例だった。4週投与2週休薬で投与したのが25例、2週投与1週休薬が25例だった。

 組織型は、淡明細胞癌が38例、乳頭状癌が4例、紡錘細胞癌が6例、不明が5例。転移部位は肺が37例、静脈塞栓例が11例、リンパ節転移が11例、腎原発巣が11例、副腎5例、胸膜5例、肝臓4例、骨4例、筋2例、局所再発例は2例、脳2例、膵臓2例、耳下腺1例、鼻腔1例、食道1例だった。

 MSKCCリスク分類でFavorableリスクだったのは10例、Intermediateリスクだったのが32例、Poorリスクが11例。

 治療成績は、ファーストライン治療としてもしくはサイトカイン不応例に対する投与を行った全53例では、完全奏効(CR)が3例(6%)、部分奏効(PR)が14例(26%)、不変(NC)が28例(53%)、病勢進行(PD)が8例(15%)だった。

 MSKCCリスク分類でFavorableリスクかIntermediateリスクかつ淡明細胞癌であった35例に限定して検討した結果、CRが3例(9%)、PRが10例(28%)、NCが21例(60%)、PDが1例(3%)だった。

 無増悪生存期間中央値は、全53例においては8.8カ月、FavorableリスクかIntermediateリスクかつ淡明細胞癌だった35例では10.4カ月だった。

 全生存期間中央値は、全53例においては16.8カ月、FavorableリスクかIntermediateリスクかつ淡明細胞癌だった35例では29.7カ月だった。

 有害事象については、減量を要した症例は72%、休薬を要した症例は40%で、グレード3以上の血小板減少が11例、白血球減少が4例、倦怠感が1例、手足症候群1例、消化管出血1例、高K血症が1例認められた。

 これらの結果から剣木氏は、「転移性腎細胞癌に対するスニチニブによるファーストライン治療もしくはサイトカイン不応例に対するスニチニブ投与は、FavorableリスクもしくはIntermediateリスクでかつ淡明細胞癌の場合、より高い治療効果が期待できる」と締めくくった。