骨転移がある前立腺癌に対し、ホルモン療法による一次治療に加え、ゾレドロン酸を投与することで、PSA値が顕著に低下し、再燃までの期間を延長する可能性が示された。成果は、横浜市立大学大学院医学研究科泌尿器病態学の上村博司氏らが、4月27日から30日まで盛岡市で開催された第98回日本泌尿器科学会総会で発表した。

 試験は前向き多施設共同臨床試験として、神奈川県内の18施設で実施された。骨転移の広がりを示すEOD分類がグレード1以上で、ホルモン療法未治療の臨床病期D2前立腺癌患者28人を対象に、一次治療として、ホルモン療法とゾレドロン酸を投与した。

 主要評価項目は、PSA最低値(nadir)と最低値までの期間。副次評価項目は、骨関連事象(SRE)の発現率、再燃までの期間、骨代謝マーカー(BNP、NTx)の正常化率と正常化維持期間、疼痛スコア(VAS)、有害事象とした。

 追跡期間中央値は、16カ月(2.9〜24.8カ月)。PSA初期値の中央値は239.29ng/mLだったが、PSA最低値は0.35ng/mL(0.003〜42.168)と低下し、PSA最低値までの期間の中央値は6カ月(3〜24カ月)、PSA正常化率(4ng/mL以下)は75%であった。またゾレドロン酸投与後、尿中NTx値と血清BAP値、疼痛スコアは顕著に低下した。

 PSA再燃は10人に認められ、再燃までの期間中央値は6.6カ月だった。SREは発現していない。4人でグレード2の有害事象(クレアチン上昇、歯肉炎、下顎痛、筋肉痛)が見られたため投与を中止したが、重篤な有害事象はなかった。

 また、ゾレドロン酸未使用の治療成績(1992〜2002年)と比べて、ゾレドロン酸投与後のPSA最低値は低く、PSA正常化率は有意に高かった。再発までの期間も有意に延長した。

 現在演者らは、コントロール群と比較する無作為化試験を検討中であるという。またゾレドロン酸のEOD 1(6個未満の骨転移巣)への投与について会場から質問があり、上村氏は「試験の結果から、初期からゾレドロン酸を投与した方がよいだろう」と答えた。