サイトカイン未治療ならびに既治療の日本人腎細胞癌患者に対する、スニチニブ単剤の多施設フェーズ2試験の最終結果が報告された。全生存期間(OS)の中央値は2.5年を超え、海外の報告よりも日本人の方が有効性に優れるが、血液毒性は多く発現する傾向が示された。4月27日から30日まで盛岡市で開催された第98回日本泌尿器科学会総会で、徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部泌尿器科学の高橋正幸氏が発表した。

 海外の報告によると、スニチニブ単剤によるファーストライン治療の奏効率は47%、OSの中央値は26.4カ月で、セカンドライン治療ではそれぞれ49%と23.9カ月だった。日本人腎細胞癌患者を対象に行われたフェーズ2試験の中間解析結果からは、海外と同様の有効性と忍容性が示されている。今回高橋氏は、同試験の最終のOSの解析結果、有効性、安全性の新しい所見を報告した。

 対象は、淡明細胞型の転移性腎細胞癌患者で、腎摘除の既往があり、全身療法の既往がない未治療または1回のみサイトカインを含むレジメンを受けた既治療の51人。ECOG PSは0または1であることとした。サイトカイン未治療群が25人(平均年齢56.6歳)、既治療群が26人(同61.1歳)だった。

 スニチニブは開始用量を50mg、1日1回の経口投与とし、4週投与2週休薬を1サイクルとして、増悪または副作用で中止するまで反復投与した。

 全例が1回以上スニチニブの投与を受けた。投与サイクルの中央値は未治療群6.0サイクル、既治療群9.5サイクルだった。10人(20%)が本試験を完了し、41人(80%)が中止した。中止した理由で最も多かったのは腫瘍の増悪(PD)で、未治療群、既治療群ともに各13人、投与サイクルの中央値はそれぞれ6サイクルと10サイクルだった。

 本試験終了時の治験責任医師の評価による奏効率は、全患者で52.9%、未治療群52.0%、既治療群53.8%だった。無増悪生存期間(PFS)の中央値は、未治療群12.2カ月、既治療群10.6カ月だった。OSの中央値は、未治療群33.1カ月、既治療群32.5カ月と長期の生存期間が得られた。背景は異なるが、海外の報告と比べ未治療群で約7カ月、既治療群で約8カ月延長していた。

 最も多く認められた有害事象は、未治療群では食欲不振(72%)、下痢(64%)などで、既治療群では疲労(81%)、高血圧(65%)などであった。有害事象の多くは軽度から中等度(グレード1または2)だった。未治療群と既治療群で最も頻度が高かったグレード3の有害事象は、下痢、疲労、手足症候群、高血圧で、それぞれ10〜20%に発現した。

 未治療群と既治療群のグレード3/4の臨床検査値異常は各50%以上に認められ、血小板減少はそれぞれ56%と54%、好中球減少は44%と62%、リパーゼ上昇は32%と65%に発現したが臨床的な膵炎とは異なっていた。