T1腎細胞癌において診断時年齢が高い群で術後再発率が高い傾向が示され、診断時年齢は病理学的病期とともに独立した術後再発予測因子となると考えられた。4月27日から30日まで盛岡市で開催された第98回日本泌尿器科学会総会で、神戸大学大学院腎泌尿器科学分野の村蒔基次氏が発表した。

 村蒔氏らは、根治的摘除術を施行したT1腎細胞癌において、診断時年齢を含む種々の因子と術後再発の相関を検討するため解析を行った。

 対象は、2000年4月から2008年3月までに同科と神戸大学関連施設で根治的腎摘除術を施行した710人(うち男性493人、69.4%、年齢中央値65.6歳)。対象に腎部分切除症例は含まれていない。

 年齢中央値の65歳で分けると、診断時の年齢が65歳以下だったのは340人(47.9%)、65歳を超えていたのは370人(52.1%)だった。病理学的病期分類では卵巣明細胞腺癌1a期(pT1a N0M0)が461人(64.9%)、子宮内膜癌Ib期(pT1b N0M0)が249人(35.1%)だった。腹腔鏡下手術の導入期だったことから、開腹手術と腹腔鏡下手術の割合は、それぞれ436人(61.4%)と274人(38.6%)となった。観察期間の中央値は36.1カ月だった。

 非再発生存率についての単変量解析で、病理学的病期分類と診断時年齢の2点で有意差を認めた。この2点について多変量解析を行うと、65歳以下群と65歳を超えている群のハザード比(HR)は8.98(p=0.003)だった。またpT1a N0M0とpT1b N0M0では、HRが16.52(p<0.0001)だった。

 5年非再発生存率は、全症例で92.7%となった。種々の因子で解析すると、年齢別の5年非再発生存率は65歳以下群が96.5%、65歳を超える群が90.2%となり、統計学的に有意な差となった(p=0.0009)。また、病理学的病期分類別の5年非再発生存率も、pT1a N0M0は97.9%、pT1b N0M0は89.8%で(p<0.0001)。有意な差となった。その他、性別や症状の有無、手術の種類などでは有意差はなかった。