腎細胞癌肺転移巣には低用量インターロイキン2(IL-2)とインターフェロンα(IFN-α)の併用療法が有効であることが、筑波大学付属病院など国内35施設が参加した多施設共同オープン試験で確認された。IL-2 RCC スタディグループが、4月16〜19日に岡山市で開催された第97回日本泌尿器科学会総会で発表した。

 低用量IL-2とIFNα併用療法のフェーズ2試験では奏効率は26%、肺転移巣のみの症例では39%と報告されている。そこで、腎摘後で肺転移巣のある患者を対象に、IL-2とIFNα併用療法の有効性と安全性を検討する多施設共同の臨床試験が行われた。

 試験期間は2006年4月から2008年10月で、35施設44人が登録された。解析対象とした43人のうち男性は33人で、PS 0が全体の77%、淡明細胞癌が88%を占めた。IL-2(70万単位)を週に5日間連日投与、IFN-α(600万IU)を週に3回投与し、これを8週間行った。続いて9週目から24週まで、同量のIL-2とIFN-αを週に2、3回投与した。

 その結果、主要評価項目である腫瘍縮小効果は、評価可能だった42人において、CRが2人、PRが13人で、奏効率は35.7%、NC以上の割合は73.8%だった。

 また転移巣が肺のみの患者群(32人)では奏効率は35.5%、肺だけでなくリンパ節や骨、肝臓、膵臓にも転移が認められた患者群(11人)でも奏効率は36.4%とほぼ変わらなかった。しかし、NC以上の割合は肺転移巣のみの患者群では80.6%と高かったが、肺以外にも転移巣を有する患者群では54.5%だった。

 さらに、腫瘍サイズの変化からみたwater-fall plotは81.0%と、腫瘍の増殖抑制効果が認められた。

 主な有害事象は、グレード3/4の好中球減少が45.5%と最も高く、リンパ球減少が11.4%、白血球減少が6.8%、またグレード3/4の発熱は13.6%、食欲不振が9.1%で、演者らは「IL-2やIFN-αによる単独療法と比べ、新たな副作用は発現していない」とした。

 これらの結果から、「IL-2とIFNα併用療法は有効で、安全に投与が可能である」(演者ら)と結論づけている。また、奏効率や副作用に関与する遺伝子背景を明らかにするための遺伝子解析が現在進められているという。