術後FOLFOX療法を施行したステージIV大腸癌において、CD133高発現症例は無増悪生存期間(PFS)が有意に不良であることが示された。4月12日から千葉県千葉市で開催された第112回日本外科学会定期学術集会で、防衛医科大学校外科の識名敦氏が報告した。

 大腸癌幹細胞マーカーの1つとされるCD133は、予後予測因子としても注目されているが、まだ十分に評価されていない。

 そこで識名氏らは、術後FOLFOX療法を施行したステージIVの大腸癌症例を対象に、CD133の発現を調べ、予後予測因子としての有用性を検討した。

 対象は、2005年から2010年に、術後FOLFOX療法が施行されたステージIV大腸癌患者71例。原発巣組織について、CD133の免疫組織染色を行い、管腔側細胞質内に染色を認めた癌細胞をCD133陽性細胞と判定。組織内の癌細胞中における陽性細胞の割合を算出し、陽性細胞が50%以上だった症例を高発現症例、50%未満の症例を低発現症例と分類した。

 患者の年齢、性別、癌占拠部位、組織型などの臨床病理学的背景因子には、両群に有意差は見られなかった。

 全生存期間(OS)を比較したところ、CD133高発現群が21.9カ月、CD133低発現群は26.5カ月で、有意差はなかった(p=0.3374)。

 一方、無増悪生存期間(PFS)は、CD133高発現群は7.9カ月、CD133低発現群は16.3カ月となり、CD133高発現群は有意に予後不良だった(p=0.0173)。

 加えて、PFSについて多変量解析を行ったところ、根治度Cはハザード比3.497(95%信頼区間:1.712-7.143、p=0.0006)、CD133高値群はハザード比3.237(95%信頼区間:1.472-7.118、p=0.0035)で、PFSの独立した予後因子だった。

 これらの結果を踏まえ識名氏は、「術後FOLFOX療法が施行されたステージIV大腸癌症例において、CD133高発現はPFS不良因子である」と語った。