ステージ2/3胃癌の根治的切除後、S-1補助化学療法の継続に、化学療法前のクレアチニンクリアランス(CCr)値が影響することが明らかになった。4月12日から千葉県幕張で開催された第112回日本外科学会定期学術集会で、神奈川県立がんセンター消化器外科の青山徹氏が発表した。

 胃癌術後補助化学療法の日本からのエビデンスとなったACTS-GC試験により、ステージ2/3胃癌の術後はS-1投与が標準治療となった。胃癌治療ガイドライン第3版でも術後1年間の治療期間が推奨されているが、同試験での12カ月のS-1完遂率は65.8%と低く、1年完遂例であっても46.5%の症例では投与量の減量が必要だった。そこで同氏らは、術後補助化学療法としてのS-1継続率に関連するリスク因子を探索した。

 対象は2002年から2010年に同施設でS-1術後補助化学療法を受けたステージ2/3胃癌患者82例。S-1継続率は、治療開始日から180日目までの投与日、もしくは有害事象による施行医師の治療中止決定日、有害事象による患者からの治療中止日、有害事象によらない患者からの治療中止日、再発もしくは死亡日といったイベント発生日までとした。

 対象者について、年齢(70歳を境として比較)、性別、PS(0あるいは1)、術式(幽門側胃切除あるいは胃全摘)、腫瘍サイズ(70mmを境にした)、術後1か月後の体重減少率(15%を境とした)、CCr値(60mL/minを境とした)、病期(ステージ2あるいは3)を調整因子として、単変量・多変量解析を行った。

 その結果、唯一、CCr値がS-1継続に影響する独立した因子であることが明らかになった(ハザード比3.328、95%CI:1.485-7.457)。

 CCrが60mL/min以上のグループの6カ月継続率は72.2%、60mL/min未満のグループでは33.3%で、2グループ間で有意差が認められた。60mL/min未満の症例では約半数が1コース以上のS-1補助化学療法を施行できなかった。