大腸癌肝転移に対して、術前補助化学療法としてmFOLFOXとベバシズマブを併用することが有効である可能性が明らかとなった。同時性肝転移を有する進行結腸・直腸癌に対して有用性と安全性を評価した多施設共同フェーズ2試験、BeFOREの結果示されたもの。成果は4月12日から14日まで千葉市で開催されている第112回日本外科学会定期学術集会で、東北大学病院の片寄友氏によって発表された。

 BeFORE試験は同時性肝転移を有する進行結腸・直腸癌で、原発巣切除(D2以上)で癌遺残はなく、肝外転移もない肝転移切除可能患者を対象に、術前補助化学療法としてmFOLFOX6を1コース、mFOLFOX6とベバシズマブを6コース、mFOLFOX6を1コース行った。化学療法終了後、4から8週で、転移巣は10個以下、Child-PughAに相当する肝機能があり、肝臓外科医が切除可能と判断した患者に肝切除を行った。主要評価項目は奏効率だった。

 試験には47人の患者が登録され、45人で投薬が行われ(安全性評価)、44人で効果の判定が可能だった。44人のうち男性は32人、平均年齢60.8歳。全員がPS 0で、肝転移1個が10人、2から3個が19人、4個以上が15人だった。腫瘍の大きさは5.0冖にが32人だった。

 試験の結果、44人のうち、34人が化学療法を完遂し(75.0%)、副作用や患者の意思で完遂できなかった7人を合わせて手術を実施、両側の複数の肝転移で切除できなかった1人を除き、40人で肝転移の切除が行われた。R0切除は38人で、R0切除率は86.3%だった。抗腫瘍効果は完全奏効(CR)が2人、部分奏効(PR)が30人、病勢安定(SD)が11人で、奏効率は72.7%となった。これは切除不能大腸癌肝転移患者を対象にCAPOX+ベバシズマブを投与したBOXER試験の奏効率78%に匹敵する結果だった。また、病理学的効果はTRG1から2が22人(55%)、3が13人(32.5%)だった。

 グレード3の非血液学的毒性は、感覚神経障害、吐き気、口内炎、下痢、顔のほてり、血栓塞栓性事象がそれぞれ1件ずつだった。血液学的毒性はグレード4の好中球減少症が2件、クレアチニン上昇が1件、代謝性アシドーシスが1件、高カリウム血症が1件だった。術前休薬中に腫瘍の増大を認めた例は少なかった。