近年、炎症反応の指標となるたんぱく質であるC反応性タンパクCRP)が、食道癌前立腺癌予後予測因子になり得るとの研究結果が報告されている。このほど、大腸癌においても同様のことが言えるかどうか検討した結果を、徳島大学外科の角瀬裕子氏が第109回日本外科学会定期学術集会のポスターセッションで報告した。

 対象は、2004年から2008年までに大腸癌の手術を行った167人。術前のCRP値のカットオフ値を0.3mg/dLとし、0.3mg/dL以上だった患者を高値群(54人)、0.3mg/dL未満だった患者を低値群(113人)とし、各群の臨床病期別の割合や累積生存率、根治度別生存率を調べた。

 高値群は、固有筋層までの浸潤にとどまるT1〜2が7人、漿膜浸潤または他臓器への浸潤があるT3〜4が45人だったのに対し、低値群ではT1〜2が47人、T3〜4が59人と、早期癌の患者の割合が明らかに多かった(p=0.0001)。また、血管侵襲やリンパ節転移についても、明らかな差は得られなかったものの、高値群は低値群よりも多い傾向にあった。累積生存率には両群に明らかな差はなかったが、根治度別に生存率をみたところ、根治度Aの場合には低値群が高値群に比べ、勝っている傾向が示された(p=0.12)。

 角瀬氏は「より詳細な検討を重ねる必要があるが、大腸癌においてもCRP値は予後を予測する因子となる可能性がある」とした。