ンパ浮腫の患者の苦痛を最小限に抑え、QOL(生活の質)の低下を防ぐには、症状の出現した早期の段階でのケアと指導が重要であることが示された。6月18日、19日と東京都内で開催された第15回日本緩和医療学会学術大会で、筑波大学附属病院緩和ケアセンターの入江佳子氏がポスターセッションで発表した。

 同院では、リンパ浮腫患者に対するセルフケア指導を目的として「リンパ浮腫セルフケア指導外来」が2009年に設立された。コンサルテーション件数とリンパ浮腫患者の依頼件数は、2008年が311件と24件(7.7%)、2009年が392件と52件(13%)と増加傾向にある。

 研究は、リンパ浮腫患者の実態とリンパ浮腫外来の現状について同院の緩和ケアセンターに所属する看護師によって分析された。

 リンパ浮腫は、臨床的に浮腫を認めない0期、軽度の浮腫で圧迫すると圧迫痛がでるII期、皮膚が硬さを増して角化がみられるIII期に分類される。

 同院においてはI期での依頼が50%を占めていたが、病期の進行した患者の依頼も多かった。診療科別では婦人科癌患者が59.6%と最も多く、乳癌患者が25%だった。

 リンパ浮腫外来の実施は週1回で、予約枠は4人。緩和ケア認定看護師、専従1人と兼任1人の計2人が指導に当たっている。

 分析によると、リンパ浮腫の病期が早い段階での指導の介入によって、セルフケアの自立に至る割合は高くなり、介入回数も少ない傾向があった。外来設立以降、患者の依頼件数と平均介入回数は増加傾向にあるが、マンパワー不足により、十分な指導時間がとれずニーズに応えられないのが現状だという。

 発表にあたった入江氏は、早期セルフケア指導介入によってリンパ浮腫患者の苦痛を最小限にできると同時に、医療者にとっても指導の負担が軽減する点を指摘。また、今後の課題としてはマンパワーの確保やシステムの効率化、早期依頼につなげるための診療科との連携などが必要であると述べた。