インフォームドコンセント(IC)と麻薬の告知状況に関する研究から、10年前と比較して、病名の告知率は上昇し、ICを得て病気の治療に臨む患者が増加していることが分かった。6月18日、19日と東京都内で開催された第15回日本緩和医療学会学術大会で、名古屋記念病院の壁谷めぐみ氏がポスターセッションで発表した。

 癌罹患者の増加とともに、患者自身が病気に関する知識を深め、告知を求めるケースが増えている。

 同研究は、癌患者自身や家族が告知についてどう感じているのかとともに麻薬使用に対する告知の現状を調査し10年前と比較検討した。

 対象となったのは、名古屋記念病院に入院中に新規で麻薬を開始した癌患者、1998年の81人と2009年の64人。患者本人と家族の考えの確認書などから後ろ向きに調査した。

 研究結果から、「告知率」は1998年で70.4%だったが、2009年では90.6%と9割以上に達していた。また、「患者が本当の病名を知りたいか」については88.0%が93.7%へ、「家族が本当の病名を知らせるか」については、55.8%が75.8%へと、いずれも10年前と比較して病名の告知に対する希望が高まっていることが判明した。
 
 一方、患者と家族の意見が相違した場合、だれの意志を優先するかでは、「患者の意志を優先」とした患者は70.6%が83.1%へ、家族では41.6%が54.0%へと10年で明らかに増加を示すとともに、「医師の判断」とする家族も37.7%から39.7%へと上昇していた。

 麻薬の説明、薬剤師の服薬指導に関しては、1998年がそれぞれ65.4%と71.6%だったのに対し、2009年は95.4%と95.4%と9割以上を占めていた。

 壁谷氏は、告知率は10年前と比較して上昇しており、ICを得て病気と戦っていく患者が増加していると指摘するとともに、薬剤師の服薬指導も、告知率の上昇にとない円滑に行うことが可能になったと述べた。