再発進行卵巣癌に対し、GC療法(ゲムシタビンカルボプラチン)の副作用は、カルボプラチンの過敏反応(アレルギー)を除き、多くは認容範囲と考えられることが単施設のレトロスペクティブな検討から示された。5月10日から12日まで札幌市で開催された日本産科婦人科学会第65回学術講演会で、がん研有明病院婦人科の尾松公平氏が発表した。

 同科では、再発進行卵巣癌の治療において、2011年12月より主にプラチナ感受性再発の患者に対し、GC療法を治療選択肢の1つとしている。今回、尾松氏らは、進行再発卵巣癌患者に対するGC療法の有効性と安全性について、診療録を用いてレトロスペクティブに検討した。

 対象は、2011年12月から2013年2月までに同科でGC療法を施行した10人(年齢中央値54.4歳)。FIGO病期分類では、IIIc期8人、IV期2人、病理組織分類では、漿液性腺癌8人、類内膜腺癌1人、混合癌1人だった。前治療として、9人がTC療法(パクリタキセル、カルボプラチン)を受け、このうち1人はDC療法(ドセタキセル、カルボプラチン)も受けていた。既往レジメンは、1レジメンが8人、2レジメンが1人、0が1人で、カルボプラチン投与サイクル数中央値は8サイクル(範囲:0-15)だった。

 10人中、プラチナ感受性再発は3人、プラチナ部分感受性再発(platinum partial sensitive)は4人、プラチナ不応性再発は2人、化学療法未治療が1人だった。

 GC療法として、ゲムシタビン1000mg/m2を1日目と8日目に、カルボプラチンAUC4(Calvert式で算出)を1日目に投与し、21日ごとに繰り返した。治療は進行(PD)または認容不能な毒性の発現まで継続し、奏効が認められる場合は10サイクルまで可とした。

 プラチナ感受性再発の3人では、いずれも2サイクル目でカルボプラチンの過敏反応(アレルギー)が出現し、3サイクル目以降は投与中止となった。

 3サイクル以降で評価を行った6人と2サイクルで進行(PD)となった1人を合わせた7人において、完全奏効(CR)は2人、部分奏効(PR)は1人で得られ、奏効率は42%となった。
 
 血液毒性として、グレード3以上の好中球減少を6人に認め、全41サイクル中20サイクルで発現したが、G-CSFの投与は不要だった。またグレード3以上の血小板減少が4人に発現し、1人は血小板輸血を要した。

 非血液毒性では、一般的な消化器症状に加え、グレード1の頭痛を4人、グレード1の発熱を2人に認めた。発熱性好中球減少症は2人に発現した。カルボプラチンの過敏反応(アレルギー)は4人に発現し、このうち3人はアナフィラキシーだった。

 GC療法の投与状況を確認すると、ゲムシタビンの8日目の投与は、全41サイクル中、13サイクル(31%)で休薬を、1サイクル(2%)で減量を要していた。

 カルボプラチンは1日目に投与されるが、ゲムシタビンの8日目の投与に影響する可能性が考えられた。カルボプラチンの投与量は、Calvert式[AUC ×(GFR+25)]で算出され、このGFRは血清クレアチニン値を用いて計算される。血清クレアチニンの測定法は、日本では多くが酵素法で行われており、Jaffe法で算出される値に比べてAUCで約1弱ほど過量投与となる。そのためJaffe法に近似した値となるよう計算法を変更したところ、変更後の3人ではゲムシタビンの減量・休薬は不要となった。

 本検討では対象数が少ないためGC療法の有効性に言及することは困難だったが、カルボプラチンの用量調整により、GC療法の用量強度(dose intensity)を維持できる可能性があると考えられた。

 尾松氏は「奏効率の評価にプラチナ感受性再発の患者は含まれなかったが、OVAR2.5試験で報告された結果と同様の結果であった。アレルギーについては、十分な対策のもとで治療を遂行するとともに、改善する方法が必要と考える」と話した。