再発子宮体癌の2次化学療法において、プラチナ製剤free期間(Platinum Free Interval:PFI)は効果と予後の予測因子であり、「プラチナ感受性」の概念は子宮体癌にも適用可能と考えられた。この結果は、三海婦人科癌スタディーグループ(SGSG)、北関東婦人科がん臨床試験コンソーシアム(GOTIC)、東北婦人科腫瘍研究会(TGCU)を中心とする多施設共同研究から示された。5月10日から12日まで札幌市で開催された日本産科婦人科学会第65回学術講演会で、埼玉医科大学国際医療センター婦人科腫瘍科(現:兵庫県立がんセンター婦人科)の長尾昌二氏が発表した。

 再発上皮性卵巣癌では「プラチナ感受性」の概念が確立され、PFIに基づき治療法が選択されている。

 再発子宮体癌における「プラチナ感受性」の概念の適用の可能性を明らかにすることを目的として、SGSG、GOTIC、TGCU、関西臨床腫瘍研究会(KCOG)を中心とする多施設共同研究において、レトロスペクティブに臨床情報が解析された。主要解析項目は、PFIと奏効率の関連、PFIと再発後生存期間の関連だった。

 対象は、2005年1月から2009年12月までの5年間に再発・再燃子宮体癌と診断され、プラチナ製剤を含む2次化学療法を施行した患者のうち、初回化学療法でプラチナ製剤を含む化学療法を施行した患者とした。対象には子宮癌肉腫も含めた。

 30施設から281人が登録され、適格症例は265人(年齢中央値62.5歳)となった。初回治療時のFIGO分類ではIII/IV期が80%を占め、組織型では類内膜腺癌が58%と最も多く、漿液性腺癌は13%、明細胞腺癌は7%、癌肉腫は14%、その他8%だった。初回の手術で残存腫瘍を認める、または手術が行われなかった症例は30%、初回治療で放射線療法が行われた症例は5%だった。

 再発部位は、腟断端6%、骨盤腔14%、腹腔28%、腹腔外を含む遠隔転移が51%だった。PFIが6カ月未満の患者は64人(24%)、6カ月以上12カ月未満は65人(25%)、12カ月以上24カ月未満は67人(26%)、24カ月以上は66人(25%)だった。

 化学療法のレジメンとして、シスプラチンを含むレジメンは1次化学療法では18%、2次化学療法では26%に投与され、このうちAP療法(シスプラチン、ドキソルビシン/エピルビシン、シスプラチン)はそれぞれ16%、20%だった。カルボプラチンを含むレジメンは1次化学療法では81%、2次化学療法では70%に投与され、このうちTC療法(パクリタキセル、カルボプラチン)はそれぞれ73%、56%、DC療法(ドセタキセル、カルボプラチン)は3%、12%だった。

 PFIと2次化学療法の奏効率(完全奏効+部分奏効)の関連をみると、PFIが6カ月未満では25%、6カ月以上12カ月未満では39%、12カ月以上24カ月未満では61%、24カ月以上では65%となり、PFIの延長に従い、奏効率は有意に上昇した(p<0.0001)。PFIと奏効率には強い正の相関が認められた。

 PFS中央値は、PFIが6カ月未満では3.2カ月だったのに対し、6カ月以上12カ月未満では6.0カ月(p=0.0189)、12カ月以上24カ月未満では7.8カ月(p<0.0001)、24カ月以上では13.4カ月(p<0.0001)となった。

 OS中央値は、PFIが6カ月未満では11.3カ月だったのに対し、6カ月以上12カ月未満では14.8カ月(p=0.2632)、12カ月以上24カ月未満では27.8カ月(p=0.0004)、24カ月以上では43カ月(p<0.0001)だった。

 PFSとOSに影響を及ぼす因子についての多変量解析では、PFIと初回手術時の残存腫瘍の大きさが独立因子として抽出された。

 PFIを12カ月で区切って解析すると、PFS中央値はPFIが12カ月未満では4.9カ月、12カ月以上では9.2カ月となった(p=0.0024)。OS中央値はそれぞれ16.1カ月、27.4カ月となり(p=0.0494)、PFIの延長に従い、PFSとOSが延長した。

 長尾氏は「PFIは、プラチナ製剤を含む2次化学療法施行時の効果と予後の予測因子と考えられる。プラチナ感受性の概念は子宮体癌にも適用可能と考えられる」と結論した。