ゲムシタビン単剤療法は、強い前治療を受けているプラチナ/タキサン抵抗性再発卵巣癌患者に対し、比較的安全に使用可能で、ある程度の効果も期待できることから、救援化学療法(salvage chemotherapy)として日本人女性にも有益な治療法と考えられることが示唆された。5月10日から12日まで札幌市で開催された日本産科婦人科学会第65回学術講演会で、自治医科大学産婦人科学教室の竹井裕二氏が発表した。

 ゲムシタビン単剤療法は、プラチナ/タキサン抵抗性再発卵巣癌に対する救援化学療法のレジメンの1つとされている。しかし、ゲムシタビン単剤療法の報告は海外のものがほとんどで、日本人女性を対象とした報告は少なく、また強い前治療を有する患者へのゲムシタビン単剤療法についての報告も少ない。

 そのため竹井氏らは、強い前治療を受けている日本人女性に対するゲムシタビン単剤療法の有用性と安全性について、レトロスペクティブに検討した。

 対象は、2007年6月から2012年6月までに同科でゲムシタビン単剤療法を2サイクル以上施行した、プラチナ/タキサン抵抗性再発卵巣癌(卵管癌、腹膜癌を含む)患者55人(年齢中央値58歳)。卵巣癌が48人を占め、組織学的分類では、漿液性腫瘍が40人で最も多かった。前治療の化学療法レジメン数の中央値は3、サイクル数の中央値は17だった。

 治療として、ゲムシタビン1000mg/m2を1、8、15日目に投与し、28日サイクルを原則とした。奏効率、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、有害事象について解析した。

 ゲムシタビン投与サイクル数の中央値は3(範囲:2-11)だった。初回投与量は49人が1000mg/m2、6人が800mg/m2で、投与量の減量を要したのは4人だった。投与のスキップは全投与回数の16%だった。

 腫瘍縮小効果として、部分奏効(PR)が3人で得られた。安定状態(SD)は17人、進行(PD)は35人だった。奏効率は5%、病勢コントロール率(DCR)は36%となった。

 無増悪生存期間(PFS)中央値は3カ月、全生存期間(OS)中央値は13カ月だった。

 DCRは、レジメン数が1で75%、2で47%、3で32%と、前化学療法のレジメン数が増加すると低下する傾向が認められた。一方、前化学療法の総サイクル数はDCRに影響しなかった。竹井氏は「ゲムシタビン単剤療法の腫瘍縮小効果は、前化学療法の総サイクル数ではなく、レジメン数に依存すると考えられた」と話した。

 腫瘍縮小効果別にOSを比較すると、PDと比べてPR+SDで良好な傾向が示された(Log rank検定:p=0.082、一般化Wilcoxon検定:p=0.0076)。

 グレード3以上の血液毒性は、白血球減少が25%、好中球減少が52%、貧血9%、血小板減少が11%に発現した。グレード2以上の非血液毒性は、発熱4%、悪心/嘔吐7%、肝酵素上昇が11%に発現した。